出版社内容情報
ぼくたちが植えたとうきびがぼくの背丈ほどになったある日、戦火が村を襲い家族は見知らぬ土地へ避難した。とうきびを残したまま……
クォン・ジョンセン[クォン ジョンセン]
詩
キム・ファンヨン[キム ファンヨン]
絵
おおたけ きよみ[オオタケ キヨミ]
訳
内容説明
わたしたちは戦争がだいきらいです。日・中・韓の絵本作家がおくる平和絵本。
著者等紹介
クォンジョンセン[クォンジョンセン]
権正生。1937年東京生まれ。終戦(韓国では解放)直後、韓国に帰国。2007年に生涯を終えるまで貧しさと病の苦しみの中にありながら、小さく弱い人たちのはなしを美しい童話に書きつづけた。韓国を代表する童話作家で敬虔なクリスチャンでもある
キムファンヨン[キムファンヨン]
1959年忠清南道に生まれソウルで育った。弘益大学で西洋画を学び、子どもの本の挿絵や絵本を描いている
おおたけきよみ[オオタケキヨミ]
1969年埼玉県生まれ。白百合女子大学大学院修士課程修了後、日韓文化交流基金訪韓フェロー、大韓民国政府招聘留学生としてソウルで学ぶ。東京純心大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J D
69
何気ない日常が戦争によって破壊される。とうきびの成長と戦禍による日常の破壊される様の対比が痛い。人を悲しみのどん底に陥れるような争いはいらない。なんでもない日常が一番いい。改めて、戦争の無益さを思い知る。2023/10/19
ちえ
41
作者は以前読んだ『こいぬのうんち』のクォン・ジョンセン。彼の詩を絵本にしたこの本は日・中・韓 平和絵本シリーズの一冊。成長を楽しみにしていたとうきびを残し戦争で村を追われる一家。残したものはとうきびだけではないこと、少年の心の中でとうきびが実っているふるさとは…。絵の力を見せられる。アフガニスタンを描いた小林豊の「せかいいちうつくしいぼくの村」も思い出す。2021/04/24
おはなし会 芽ぶっく
11
収穫を楽しみに育てたとうきび(とうもろこし)、突然やってきた戦争の影。戦火を逃れるため逃げる人々。心残りがあってもいのちには代えられない悲しい記憶…。2019/08/15
遠い日
11
楽しみに育てたとうきび。収穫を待たずに村を追われることになった無念。戦火は人々の日常を追い立て、奪い取る。静かなことばにこめられた祈りと苦悩が切ない。2016/11/08
ヒラP@ehon.gohon
10
農民は、戦争の中でも生きるためにとうきびを作り続けていました。 戦火に追われて、せっかく育ててきたとうきびをそのままに逃げまどったけれど、あのとうきびが残念で仕方なかったのは小学生の素朴な思いだと思います。 淡々とした詩が原作ですが、戦争のことを考えさせられました。2016/08/09