著者等紹介
田畑精一[タバタセイイチ]
1931年大阪生まれ。京都大学理学部中退。人形劇団プーク・劇団人形座などで活動の後、古田足日氏と出会い、子どもの本の仕事をはじめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
122
図書館本 「ぼく」が生まれた年の9月に起きた事件と戦争…。支那事変…かな?一人の人間の誕生を祝福していたはずのさくらがだんだんお祝いムードから戦争ムードに変わっていき死のシンボルに変わっていく文章とイラストのダブル表現がなかなかの不気味。戦火で桜も焼けていく描写は特に悲惨。 65年後の後日談にて再びお花見が楽しめる時代になりさくら本人(本木?)も「死の象徴は嫌だった」と…。2020/05/05
yomineko@猫と共に生きる
61
著者は1931年生まれで勿論戦争を知っておられる。桜の咲く月に生まれた僕だが、戦争で全てがめちゃくちゃになってしまった。何があっても絶対に戦争はダメ!!!という事がいまだに分からない人と国がある。2024/02/14
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
50
日本、中国、韓国共同制作した平和絵本。田畑精一さんが描く反戦絵本。美しい桜も軍歌に用いられ、尊い命もお国のためと当たり前のような時代。敗戦だけでなく、侵略して加害国となった日本の戒めのような内容もあり、戦争は戦争でしかないというメッセージが伝わる。さくらは皆が笑顔で楽しむものであり続けますように。2021/03/19
とよぽん
49
表紙は小学生の男の子、桜、そして燃え盛る炎。戦争の時代に生まれ、軍国少年を経て何もかも奪われた戦後を生き抜いた「ぼく」。満州や朝鮮を侵略し、臣民には桜のように「ちれ、ちれ」と煽った軍国主義。作者が戦争を心から憎み、桜の木に語らせた言葉をかみしめた。絵も、すばらしい。2021/03/29
ちえ
41
『おしいれのぼうけん』『さっちゃんのまほうのて』『ピカピカ』3冊が家にあり、どれも好きな田畑氏の描く反戦絵本。さくらの季節に生まれたぼくが成長していくその時代、一般の人が知らないうちに日本は戦争への道を歩んでいた。その中で美しいさくらは国民を鼓舞するためにも使われていたのだ。戦争で多くの国民が犠牲になり、それ以上の人を殺してきた日本。その事実を子供たちにも知って欲しいという作者の強い思いが伝わる。日・中・韓の絵本作家が繋がって作ったたという平和絵本のシリーズ。図書館あるのはその中の数冊だが読んでいきたい。2021/02/23