出版社内容情報
お母さんのおなかの中で原爆の放射能をあびた春姫は、43歳のいまでもおむつをつけたまま、お母さんに世話してもらっています。
ピョン・キジャ[ピョン キジャ]
文
チョン・スンガク[チョン スンガク]
絵
著者等紹介
ピョンキジャ[ピョンキジャ]
1940年、岡山県生まれ。在日朝鮮人二世。第6回ニッサン童話と絵本のグランプリで、創作童話「春姫という名前の赤ちゃん」が童話部門優秀賞を受賞。朝鮮半島の絵本や童話を日本の子どもたちに紹介する
チョンスンガク[チョンスンガク]
1961年、韓国忠清北道生まれ。韓国の中央大学芸術学部絵画科卒。絵本づくりに力を注ぎながら、子どもたちと公園や商店街、学校などの壁面に絵を描く活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
26
何とも切ないお話です。 由美ちゃんの前に姿を見せずに、病院に搬送された赤ちゃんが43歳だなんて、その原因が広島原爆にあったなんて、いつまでも大人になれないで、寝たきりの子どもがいるなんて。 でも、話はそれに止まりません。 戦時中に日本人が何をしたか、朝鮮人としてのおばあさんの語りはとても重いものでした。 由美ちゃんに対するやさしさが救いではあるけれど、それだけに心に突き刺さるものを感じました。 同じ過ちを二度と繰り返してはいけないと思います。2017/04/29
おはなし会 芽ぶっく
18
日・中・韓 平和絵本 原爆や敗戦国によって被害者的なことが多く取り上げられていますが、日本も加害者の立場であります。子どもたちにとってそのことを知るきっかけになる絵本。著者のピョン・キジャさんは在日朝鮮人2世だそうです。日本にいる同郷の方の中には実在されたのかもしれません。【核から考える平和】2022/04/29
いっちゃん
9
日本人がしてきたことに、本当にごめんなさいって気持ちになる。お腹のなかで被爆して生まれてきた子が、ずっと大きくならないなんてあんまりきいたことがなった。由美ちゃんもうちの子も三年生。なかなか受け止めにくい現実だったよう。2017/10/28
ケニオミ
8
43歳(だったかな?)の赤ちゃんのお話でした。小学3年生の由美ちゃんは、通学路でボロ屋に住むおばちゃんと仲良くなります。そのおばちゃんが歌う歌を縦笛で吹いたりして、二人の仲はより一層よくなりますが、ある日、ボロ屋に救急車が止まり、赤ちゃんを病院に運んで行ってしまいます。ここからが核心に入りますが、切なくなるお話でした。2017/04/08
matumoty
4
日・中・韓平和絵本。第二次世界大戦中、日本で被爆した韓国人。夫を広島の原爆で失い、忘れ形見に生まれた娘も被爆のため43年寝たきりに。「かわいそうな被爆国・日本」だけではなく「日本の統治下にあった国・韓国」の視点。いろいろな話を見知るにつけ、世界中で、それぞれの立場で苦しんでいる人がたくさんいることを知らされる。共通点は、誰も幸せじゃないこと。2023/10/04