著者等紹介
田島征三[タシマセイゾウ]
1940年大阪府生まれ。高知県で幼少期を過ごす。1969年から、東京都日の出村(現町)で山羊や鶏を飼い畑を耕しながら、絵本やタブローなどの創作をつづける。1998年、伊豆へ移住。木の実による作品など新境地を開いた。絵本に『ちからたろう』(ポプラ社・世界絵本原画展金のりんご賞)『ふきまんぶく』(講談社出版文化賞)『とべバッタ』(以上偕成社・小学館絵画賞・年鑑イラストレーション作家賞)などがある。2009年、新潟県十日町市に「絵本と木の実の美術館」開館(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
90
図書館本 戦死したぼくは悲しみの青なのに遺族の復讐に燃える弟は怒りや憎しみの赤…。死者たちの声は届かない…。 それ以外の人間の心は黒。こちらもあまり楽しそうじゃないなぁ。現代日本人の心は何色?2023/02/17
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
80
田島征三の反戦絵本。無理矢理行かされた戦争で戦死し、それが新たな恨みを生み、それまた新たな悲劇を生むというマイナスの連鎖が、戦没者の主人公によるモノローグで描かれている。他の方のレビューにもある通り、抽象的な絵だが、田島征三らしいダイナミックさに目を奪われる。マイナスの連鎖は、回って来た時、厭でも自分の所でストップしないとさらに広がるものだが、なかなかそれができない。マイナスの連鎖を生むものを退治しなければ。2015/08/19
おくちゃん🌸柳緑花紅
77
日本、中国、韓国の絵本作家12名が平和の為に刊行した絵本12冊の中の一冊。だれのためにころし、だれのためにころされるの?なんのためにしぬの?あなたの声は届きました。そして多くの人に届きますように願います。絵も、すごい力で訴えてきます。2015/10/16
みゃーこ
60
絵といい、文章といい、迫力がせまり、悲しい。つらい。すごい。戦争で得るもの、次なる憎しみと、悲しみ。そして失うものはあまりにも大きい。魂となって肉体を失ったものたちからのメッセージが迫り来る画力。泣く。2013/07/26
chimako
58
【ライオンズクラブより】戦争は国と国との争いで「お国のため」と出征した多くの人たちは何のために戦っていたのだろう。残された家族の悲しみはどんなに深かったのだろう。家族を殺された怒りはどんなにどろどろだったのだろう。田島征三氏の叫ぶような絵が悲しみを悔しさを怒りを戦争の悲惨を伝える。死者の声を聞く耳を持つべきは私たちであり、国を動かす人たち。戦争はいやだ。2014/06/30