内容説明
1937年、南京の少女の家に泊まった京劇役者は、少女に京劇の想い出と髪飾りを残して去って行った。戦時中の南京と人びとを描いた絵本。
著者等紹介
姚紅[ヤオホン]
1961年南京生まれ。南京芸術学院美術系(学部)中国画専門課程卒業。江蘇少年児童出版社の編集責任者を経て、現在は南京芸術学院美術学院挿画系教授。中央教育科学研究所早期教育センター美術顧問を兼任。絵本『もじゃもじゃあたまの女の子』『明珠』は、全国優秀少年児童読み物一等賞受賞
中由美子[ナカユミコ]
長崎市生まれ。ふとしたことから中国語に出会い、中国児童文学と幸せな出会いをして現在に至る。日中児童文学美術交流センター理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
115
図書館本 南京大虐殺の本。美しい京劇が戦乱によって破壊されてしまう。いつの世も戦乱は芸術の敵なのですね。原田マハさんのゲルニカ小説を思いだしました。2019/12/25
yomineko@猫と共に生きる
61
南京が舞台。1937年12月13日日本軍が南京を占領。私の家に来ていた京劇役者のシャオおじさんは、得たお金を全て戦争で苦しむ人達に寄付したという。南京に行った事がある。美しい湖があり、皆さんにとても親切にして頂いた良い思い出しかなく、これを読むと本当に悲しい気持ちになる。2024/02/14
ヒラP@ehon.gohon
27
戦争が迫ってくる南京の町で演じられた最後の京劇。芸能が戦争に押しつぶされていく際に、とても素晴らしい輝きを見ました。 日本は攻める側です。 日本は決して被害者でなかった事に胸が傷みます。 事実認識を忘れてはいけないと思いました。2020/08/24
たまきら
18
おうちに京劇の人気役者が泊まりに来た。女の子のどきどき、美しい役者さんとの毎日が楽しくつづられます。けれども街の至る所にプロパガンダが貼られ、嫌な予感を感じさせます。そして…。何も非難しない、淡々とした日々の表現が、逆に日常を失う恐ろしさを伝えてくれます。2015/09/17
どあら
15
図書館で借りて読了。2020/02/29