出版社内容情報
<子どもたちをできるかぎり“いきいき”と描きたいと思っている。“いきいき”ということは、絵の中の子どもたちにちゃんと「いのち」があること>『おしいれのぼうけん』の作者であり、なかまたちとともに日本の新しい子どもの本の世界を切りひらいた絵本作家・田畑精一。その数々の言葉を紹介。戦争を体験して、絵本作家になるまでのこと。絵本の表現や、子どもたち、自作絵本への想い……。そこには子どもの本づくりの原点が!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
43
物理学を学ぼうとして入った大学を退学して人形劇の世界に飛び込んだ田畑さん・・・。古田足日さんと知り合ったことが縁で、絵本の世界へ。と、実行委員会12名の編集は、田畑さんのお人柄や業績などをコンパクトにまとめて貴い1冊に。私は戦争への憎しみを込めて書かれたた『さくら』が強く印象に残っている。他の作品も読んでみたい。追悼展、行けなくて残念。実行委員長は、いわむらかずおさん。ブックデザインは谷口広樹さんとある。2021/09/05
ヒラP@ehon.gohon
26
田畑精一さんの追悼文集です。 絵本作家としては、多作の人ではなかったかもしれませんが、心に残る作品がリストに上がっているのを見て、平和を祈り、障害者を見守り、温かく公平の方だったと痛感しました。 紙芝居でも活躍されている方なので、目にする機会は多かったように思いました。 未読の作品を、読みたいと思っています。2021/08/28
バニラ風味
19
一番最初のページに、穏やかな微笑みを浮かべて、こちらを見る田畑さんの写真。ああ、この方が、「おしいれのぼうけん」などの力強い絵を描いてきたんだなあ、と思いました。2020年6月に亡くなった田畑さんを偲んで、神沢利子さん、いわむらかずおさんなどが文章を寄せています。今年6月、田畑さんの追悼展があり、行ってきました。多くの人が来て、田畑さんの原画を見ていて、その作品が多くの人に愛されてきたことを感じました。平和を愛し、未来を担う子供たちへ温かい目を向けて描いてきた、田畑さん作品の数々を見直したいと思います。2021/08/13
遠い日
8
田畑精一さんといえば反戦の絵本作家という印象がまず浮かびます。ご自身が残されたことばを編集して、田畑氏の足跡とする本書、胸に染みることばがたくさんありました。子どもたちを見つめる目のやさしさ、温かさ、そして彼らへのリスペクトを感じる深いことばがすばらしい。2021/08/10
憩子
1
≪未来を創る子どもたちへの深い愛情。絵本や子どもの本を通して新しい世界を切り拓きたいという熱意。そして、再び戦争を引き起こしてはならない、日本が戦争をする国になってはならないという強い思いが、田畑さん独特の表現で凝縮されています。≫(はじめに より)2024/03/08