出版社内容情報
たもんはお父さんと、はじめてのイワナつりにやってきた。山の中の川、大きな淵で何度もエサをながすけれど、つれない。
あきらめかけたとき、さおさきがグイグイッとまがった。さかながくいついたのだ。さかなはグイグイひっぱり、頭があつくなり、しんぞうがドッキンドッキンする。右に左におよぎまわるさかなと長くたたかったすえ、ついにたもあみの中にさかなをとりこんだ。
「すごいぞ、イワナだ! おおものだ」
はじめてつりあげたイワナだ。たもんは、ほおずりしたくなるほどいとおしかった。
やがてお昼になると、「たもんのつったイワナをごちそうになるべ」と、お父さんはイワナをくしにさし、たき火でしおやきにした。たもんはむねがいたみつつ、ガブリとやった。
「うまいよ!」話しかけるようにいうと、なみだがポロンとこぼれた……
釣りを通していのちの躍動を感じ、そのいのちをおいしくいただくことで、初めていのちの大切さ、重さを実感する。そうした少年の心情を、繊細かつ力強く描く絵本です。
内容説明
「すごいぞ、イワナだ!おおものだ」たもんは、ハアハアして、しんぞうがばくはつしそうだった。こえもでない。さかなをみると、手がふるえてきた…はじめてイワナをつり、はじめて命の重さを実感した少年の物語。
著者等紹介
最上一平[モガミイッペイ]
山形県生まれ。『銀のうさぎ』で日本児童文学者協会新人賞、『ぬくい山のきつね』で日本児童文学者協会賞、新美南吉児童文学賞、『すみれちゃんとようかいばあちゃん』(以上新日本出版社)で日本子どもの本研究会作品賞、『じぶんの木』でひろすけ童話賞、『たぬきの花よめ道中』(以上岩崎書店)で日本絵本賞を受賞
伊藤秀男[イトウヒデオ]
愛知県生まれ。画家・絵本作家。絵本『海の夏』(ほるぷ出版)で小学館絵画賞、『うしお』(ビリケン出版)でJBBY賞、『けんかのきもち』(文・柴田愛子)で日本絵本賞大賞、『タケノコごはん』(文・大島渚/以上ポプラ社)で日本絵本賞を受賞、紙芝居『なぜ、おふろにしょうぶをいれるの?』(脚本・常光徹)で高橋五山賞絵画賞、『三月十日のやくそく』(脚本・早乙女勝元/以上童心社)で高橋五山賞を受賞するなど、多くの作品がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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