内容説明
みなし子のロバ、タタは、はじめてさばくの旅にでた。しかし、そこでみたものは、戦いにきずついた馬たち。はげしい砂あらしのなか、タタのために死んでいくラクダ。そして、キャラバンサライでは子馬がうまれて…。
著者等紹介
小林豊[コバヤシユタカ]
1946年、東京の下町に生まれる。舞台演出などの仕事のあと、イギリス留学中に画家を志す。1979年、日展初出品で入選。1983年、「上野の森美術館」特別優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ochatomo
13
ロバとラクダと馬と人の物語 地平線が続く砂漠の風景が印象的 2005刊2020/01/10
おはなし会 芽ぶっく
10
『せかいいちうつくしいぼくの村』を始め、小林豊さんの絵本は、異国情緒を感じさせてくれながらも、どこか懐かしい、馴染み深い絵本と感じ大好きです。タタはみなし子のロバ、キャラバンの親方ムサさんに拾われ、年寄りラクダのタムタイムに預けられます。まだ小さいけれど、砂漠の旅に憧れるタタ。ある日ムサさんは仕事で砂漠を旅することになり、タタも連れていってくれることになりました。けれど、後悔しても後戻りできない過酷な旅、タタは大事なモノを失ってしまいます…。2020/01/26
kazu_tea
9
砂漠の町で水配りをしていたロバのタタが、ラクダたちと一緒に初めて砂漠の旅に出るお話。厳しい環境の中、生と死を間近で体験するタタの姿が健気で読み応えのある絵本でした。2014/09/29
いっちゃん
6
旅に憧れ、いざ出発すると、想像もしなかった現実が。らくだに守ってもらって、さらに砂漠の旅の厳しさを知るタタ。心に響く良い本だった。2015/01/05
遠い日
3
水売りのロバ、タタは砂漠の旅に憧れる。自分も広い世界に出てみたいと願う。主人のムサさんの引き受けた仕事について行けることになったタタ。でも、砂漠は想像以上の厳しい環境だ。灼熱、絶体絶命の砂嵐の中、タタを守って死んで行った老ラクダのタムタイムへの新たな誓いを胸にタタは、仕事を遂行する。立派に砂漠で働くロバとして。砂漠の厳しさのほか、別れと出会い、新しい命の誕生などをおりこんで、詩情豊かな物語となっている。2014/05/28