内容説明
山をふきぬける北風が、雪とダンスをおどる夜、一人のゆきおんなが生まれる。冷たいひとみは青く輝き、彼女のうたごえは、あらゆるものをこおらせてしまう。ある夜、若いきこりを見つけたゆきおんなは…。ゆきおんなの恐ろしさ、はかなさを描いた絵本。
著者等紹介
富安陽子[トミヤスヨウコ]
1959年、東京都生まれ。梅花女子大学特任教授。作品に、『クヌギ林のザワザワ荘』(日本児童文学者協会新人賞・小学館文学賞)、「小さなスズナ姫」シリーズ(新美南吉児童文学賞)、『盆まねき』(産経児童出版文化賞・野間児童文芸賞)など多数
飯野和好[イイノカズヨシ]
1947年、埼玉県秩父生まれ。セツ・モードセミナーでイラストレーションを学ぶ。絵本に「ねぎぼうずのあさたろう」シリーズ(小学館児童出版文化賞)など多数。挿絵に、「小さなスズナ姫」シリーズ(赤い鳥さし絵賞)などがある。絵本の読み語り講演に、股旅姿で全国を渡り歩いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
陽子
27
定番の「ゆきおんな」のお話とは違う。どちらかというと「雪女」という名前の妖精のよう。今年のような雪の多い冬の日に読んで聞かせてあげたくなる詩的な世界。雪が変幻自在に姿を変えていく様が想像できて素敵。「こおりみたいな ゆきおんなの こころのおくにも、まだぽちっと あったかいところが のこっているんだねぇ」がいいな。ラストの春の訪れがほんわか。雪というものが動的に表現されていて、シャレている。「だれにもけっしてしゃべらない」は健在ワードでした。2022/03/13
深青
22
「雪女」について語った絵本。語っているのが誰かがとっても気になる所ではありますが、わからない方が面白いし良いのかもしれない(笑)雪女って何故か、怖いだけでなく切なさや悲しみも感じさせるんだよなぁ。今回の絵本を読んでいても、雪女が楽しいと思うことや彼女の冷たさを感じたけれど、それと同時にどこか悲哀を感じたのです。雪女について、一度勉強してみても良いかも。富安さんの語り口、飯野さんの絵、どちらもとても良かったです。2015/03/01
ヒラP@ehon.gohon
19
雪女のモノローグとして描かれた物語です。 やけに艶っぽい語り口調に妖しさを感じます。 息を吹きかけられたように、私の気持ちは固まってしまいました。 声に出してみると自分の耳にもとても心地よく響いて来るのです。 物語性のある内容ではないのですが、飯野さんの泥臭い絵が 味わいを深めていて、納得感のある絵本でした。 こんな女性に会ってみたいような、怖いもの見たさが刺激されました。2023/03/12
長くつしたのピッピ
19
児童クラブ二年生に読み聞かせ。ワザとゆっくりと怖さを出して読んでみる。いつもはあれこれ言ってくる子ども達も静かに聞いていた。女子は面白いと言っていたが、男子は、こわーいと言ってた。男子はまだまだ幼くて可愛い。2023/01/31
雨巫女。@新潮部
15
《書店》雪女は、こうやって誕生したんですね。私は、喋りません。コワイから、ハイ(・д・)ノ2012/11/27