内容説明
「野蛮な来訪者」から、産業界の救世主へ―ブラックストーンをはじめとするKKR、カーライル、アポロ、TPGなどのプライベート・エクイティ各社は、浮き沈みの激しいウォール街でいかにふるまい、その存在感を高めてきたのか。大きな話題となったRJRナビスコの買収以降、彼らが仕掛けた歴史的なビッグ・ディールを紹介しながら、業界の栄枯盛衰を展望する。
目次
デビュー
フーデイルの奇跡とリーマンの内紛
ドレクセルの一〇年
どぶ板営業
万事順調
混乱
スティーブ・シュワルツマン・ショー
一時代の終焉、そしてイメージ問題の始まり
ニューフェイス
離婚、そして価値観の違い〔ほか〕
著者等紹介
土方奈美[ヒジカタナミ]
翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。1995年日本経済新聞社入社。『日本経済新聞』『日経ビジネス』などの記者を務める。2008年同社を退社。米国公認会計士。ファイナンシャル・プランナーの資格を保有。経済・金融分野を中心に翻訳活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まめタンク
5
2019年320冊目。KKRのRJRナビスコ買収を描いた「野蛮ない来訪者」を読んでおくとより楽しめます。2019/12/12
はな
4
プライベートエクイティファンドの成立から興隆、リーマンショックによる停滞を経ての初期の勃興までをブラックストーンの歴史を紐解くことによって描いたノンフィクション。著者がディールという業界誌の記者だけあって、ブラックストーンが投資してどう企業価値を高めて幾らで売却したか、各ディール毎に本当に詳しく説明してある。日本ではハゲタカファンドと呼ばれて儲けの為に企業を食い物にするイメージがバイアウトファンドには多かったが、それも本書やPEに関する理解が深まった為に払拭された感がある。2023/03/12
sab
1
「ハゲタカ」のイメージ先行で片づけられがちなPEファンドにおいて、巨人となったブラックストーンの歩みを概観する。あるアセットをまとまった資金を持って安く買い、高く売ると言う意味ではPE投資も他の投資と同じである。特色となるのは積極介入型のオーナーシップで経営に大きく関与し、企業価値を高める施策を振るう大鉈を持っていることか。各ディールが詳述され、市場の変化に適応する中で、PEファンドというビジネスがどう変化してきたかの理解が進んだ。2024/04/10
ぷるぷる
1
プライベート・エクイティ・ファンドのブラックストーンのドキュメントでその歴史追いかけながら、80年代の黎明期から企業買収に関わる米国の金融業界を紐解いていく。実に淡々とぢてストーリーとして盛り上がる部分はほとんどない。よって読み物としては面白くはない。批評的な面では著者は投資ファンドに大してあまり良い印象無いようでよく取材させたものだと思ってしまう。とは言え資本市場が底にあった時に企業に資金を供給し不況を乗り切ったという事実にもちゃんと触れられてます。功罪半ばというのが伝えられているのは良いことだ。2013/04/17
メルセ・ひすい
1
15-142 一代記!大手投資銀行に匹敵する投資・アドバイサリ能力と資金力を兼ね備えた、抜群の収益力を誇る新しいタイプの有力プレイヤーを構築した。乗っ取り屋と同じジャンク債が資金調達手段。プライベート・エクイティ業界に君臨する巨大企業ブラックストーンと、その創業者シュワルツマンの知られざる実態を気鋭のジャーナリストが描く。巨大買収と巨額報酬の裏側、LBOの歴史とその功罪、業界の栄枯盛衰を展望する。2012/03/20