欧州危機の真実―混迷する経済・財政の行方

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欧州危機の真実―混迷する経済・財政の行方

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492443798
  • NDC分類 332.3
  • Cコード C3033

内容説明

欧州は今揺れに揺れている。ギリシャ、ポルトガルなどが相次いで国家破産の危機に陥り、統一通貨ユーロからの離脱すら囁かれているからだ。なぜ欧州はこのような事態に陥ったのだろうか。EUという枠組みそのものに何か不備があったのだろうか。もしそうであれば、欧州がこれまで築いてきた統合への道ははたして正しかったのだろうか。本書はこうした視点から最近の欧州の混乱を包括的に検討し、今後の行方を見通す。膨大な財政赤字を抱えるわが国にとって、欧州の悲劇はけっして対岸の火事ではないのである。

目次

序章 EUにおける金融・経済危機の現状
第1章 なぜ金融危機は欧州で起きたのか―今回の欧州での金融危機の背景
第2章 欧州各国は金融危機を防ぐことができたのか―EU域内での金融危機の影響と加盟各国の対策
第3章 なぜ深刻な財政問題が発生したのか―混迷する財政問題
第4章 国境を越えた政策調整は機能したのか―EU主導の危機対策の有効性と限界
第5章 EUの金融規制改革とはどのようなものなのか―世界的な金融監督体制の改革とEU
第6章 欧州経済の正常化は可能なのか―今後のEU経済の焦点
第7章 日本はギリシャ、アイルランドとなるのか

著者等紹介

高屋定美[タカヤサダヨシ]
1963年京都市に生まれる。1986年神戸大学経済学部卒業。1991年神戸大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。1991年近畿大学商経学部専任講師。1994年近畿大学商経学部助教授。2001年近畿大学商経学部教授。現在、関西大学商学部教授。博士(経済学、神戸大学)。専攻、国際金融論、欧州経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kentaro

5
欧州の場合、ECB(欧州中央銀行)がユーロ加盟国の個別事情によって金融政策を行うことができないため、加盟国間の経済格差にきめ細かく対処することはできない。経済格差を自動調節する仕組みが十分に働かず、むしろ共通通貨導入が格差を拡大させるように働いた。通貨統合を推進してきた欧州諸国もそのことに気づいていたが、格差是正の労働移動や資本移動の調整は不十分で、その調整が進行中に格差を拡大する状況が現れた。特に欧州での金融市場が一体化されたものの、実体経済の収れんが追いついておらず、その間隙をついて金融危機が起きた。2018/10/06

メルセ・ひすい

2
15-57 結構短絡的 なんか簡単に欧州危機と日本経済?比較している。目新しいものまったくなし、個人的斬新的な提言も見解も展望もない。破綻のある無しではなく日本はこうすればよい!が学者では? 欧州各国はなぜ深刻な財政危機に陥ったのか。EUという枠組みそのものに何か不備があったのか。本書では、こうした視点から最近の欧州の混乱を包括的に検討し、今後の行方を見直す 2011/09/09

はるこ

0
アメリカのサブプライムローン問題が欧州に波及、南欧諸国では住宅バブルがはじけ、ギリシャの財政の虚偽報告などの原因により欧州は危機に陥った。この危機によりEUの構造問題が顕在化し、対策を急がれるようになる。現在、EUは財政健全国(ドイツ)が財政危機国(ギリシャ)への支援を躊躇している状況である。この状況から、ドイツのユーロからの離脱やギリシャの離脱も考えられる。しかし、EUの恩恵は通貨統合以外にもあることからその選択肢は考えられず、各国が協力して危機に立ち向かっていく事が大切だと筆者は述べている。2012/11/15

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