内容説明
本書は、善意にあふれた先進国からの援助のうち、たった数パーセントしか本当に必要な人に届いておらず、これまで経済成長に成功してきた国は、援助をそれほど受け入れてはいない国である、という現実をまず冷静に分析する。そのうえで、本当に有効な援助とは何か、どんな援助のやり方が、本当にそれを欲している人々のもとに届けることができるのかについて、これまでの援助のやり方とは異なる援助を提案する、いわば、論争の書である。
目次
「プランナー(Planners)」対「サーチャー(Searchers)」
第1部 なぜプランナーによる援助は発展をもたらさないのか(ビッグ・プッシュの伝説;市場はプランニングできない;プランナーと悪漢)
第2部 「白人の責務」を行動に移す(富者に市場あり、貧者に官僚あり;貧しい人々を救う;癒しの人―勝利と悲劇)
第3部 白人の軍隊(植民地主義からポストモダン帝国主義へ;貧しい人々の社会に干渉する)
第4部 未来(自分の国の経済発展は自前の発想で;欧米流援助の将来)
著者等紹介
イースタリー,ウィリアム[イースタリー,ウィリアム][Easterly,William]
1957年、ウェスト・バージニア州に生まれる。1985年、MITで経済学博士号(Ph.D.)取得。世界銀行に入行。1985‐87年には西アフリカ、コロンビアの融資担当エコノミストとして、以降2001年まで調査局のシニアアドバイザーとして世界各地を飛び回り、数多くの会議やセミナーに出席し、多数の論文を書くなど、「経済成長分析」の専門家として精力的に活動。2001年世界銀行を退職。現在はニューヨーク大学経済学部教授
小浜裕久[コハマヒロヒサ]
1949年川崎市に生まれる。1972年慶應義塾大学経済学部卒業。1974年慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了。現在、静岡県立大学国際関係学部教授
織井啓介[オリイケイスケ]
1957年松本市に生まれる。2005年一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)。現在、敬愛大学国際学部准教授
冨田陽子[トミタヨウコ]
1946年苫小牧市に生まれる。1969年慶應義塾大学経済学部卒業。現在、セーコロ21(翻訳・研究図書出版)所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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香菜子(かなこ・Kanako)
井上裕紀男
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kk
山口 公大