傲慢な援助

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傲慢な援助

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  • サイズ A5判/ページ数 449,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784492443606
  • NDC分類 333.8
  • Cコード C3033

内容説明

本書は、善意にあふれた先進国からの援助のうち、たった数パーセントしか本当に必要な人に届いておらず、これまで経済成長に成功してきた国は、援助をそれほど受け入れてはいない国である、という現実をまず冷静に分析する。そのうえで、本当に有効な援助とは何か、どんな援助のやり方が、本当にそれを欲している人々のもとに届けることができるのかについて、これまでの援助のやり方とは異なる援助を提案する、いわば、論争の書である。

目次

「プランナー(Planners)」対「サーチャー(Searchers)」
第1部 なぜプランナーによる援助は発展をもたらさないのか(ビッグ・プッシュの伝説;市場はプランニングできない;プランナーと悪漢)
第2部 「白人の責務」を行動に移す(富者に市場あり、貧者に官僚あり;貧しい人々を救う;癒しの人―勝利と悲劇)
第3部 白人の軍隊(植民地主義からポストモダン帝国主義へ;貧しい人々の社会に干渉する)
第4部 未来(自分の国の経済発展は自前の発想で;欧米流援助の将来)

著者等紹介

イースタリー,ウィリアム[イースタリー,ウィリアム][Easterly,William]
1957年、ウェスト・バージニア州に生まれる。1985年、MITで経済学博士号(Ph.D.)取得。世界銀行に入行。1985‐87年には西アフリカ、コロンビアの融資担当エコノミストとして、以降2001年まで調査局のシニアアドバイザーとして世界各地を飛び回り、数多くの会議やセミナーに出席し、多数の論文を書くなど、「経済成長分析」の専門家として精力的に活動。2001年世界銀行を退職。現在はニューヨーク大学経済学部教授

小浜裕久[コハマヒロヒサ]
1949年川崎市に生まれる。1972年慶應義塾大学経済学部卒業。1974年慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了。現在、静岡県立大学国際関係学部教授

織井啓介[オリイケイスケ]
1957年松本市に生まれる。2005年一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)。現在、敬愛大学国際学部准教授

冨田陽子[トミタヨウコ]
1946年苫小牧市に生まれる。1969年慶應義塾大学経済学部卒業。現在、セーコロ21(翻訳・研究図書出版)所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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香菜子(かなこ・Kanako)

32
傲慢な援助。ウィリアム・イースタリー先生の著書。貧困国、貧困状態にある貧しい人たちへの援助は正しいやり方でしないと何の問題解決にもつながらないし、自分勝手で自己中心的な傲慢な自己満足、傲慢な援助にしかならない。せっかくの援助が、単なる傲慢な自己満足、傲慢な援助に終わらないためにするべきことをきちんとしないと。2019/07/19

井上裕紀男

22
SDGsに掲げられた目標と現実との差が非常に気になっていますが、苦しむ国への援助活動については資金をつぎ込む先を改善し続けないと、一握りの政府関係者だけが富を得てしまう。 搾取してきた国のエリートが援助を考えるより、現地で活動する支援メンバーに権限を与えて、地元の人が自立する道を進むプランを進めてほしい。本書には根拠となる事例とデータがあります。 もちろん支援プランには必ず外部の評価機関からチェック。現地で栄養を摂る・教育を受ける大切さを知ってもらう。 読むと辛いけれども、同時に希望も抱く2021/05/23

人生ゴルディアス

5
世銀やIMFといった援助機関のお粗末な結果と、その原因を分析する。IMFはすでに経済制度が整った新興国の金融危機にはうまく対処できるが、貧困国の経済的な離陸に対してはほぼ無力であり、その理由は経済理論がどんな状況の国にも当てはまると考えているからであり(というかそういうことにまで自らの力が及ぶと過信している)、そういった傲慢さは失敗している援助機関ほぼすべてに見られるという。その土地の文化や慣習に沿って何かをしなさい、というのは当たり前のようだが、それが全くできていないことを延々と説明される。無力感。2018/03/03

kk

4
援助といえば国連機構が策定するユートピア的なプランが思い当たる。しかし、歴史が証明するとおり、これが途上国の開発に役立ったかは不明である。むしろ本著ではプランの策定ではなく、サーチャー的な現場主義を提唱している。援助の目的は途上国の発展ではなく、そこに住む人々の生活水準向上というのは然りと思った。2019/11/26

山口 公大

2
貧困支援を、支援額のような世間へのPRを主眼としたインプット情報で見るのではなく、科学的根拠を添えたアウトカムで見るべきで、そのためにもプランナーではなくてサーチャーに実行を任せるべきという論を展開する本。 詳細は下記。 https://note.com/t06901ky/n/n2570c2880c7f2021/05/31

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