出版社内容情報
オバマ政権は「100年に1度」と言われる経済危機を克服できるのか。その後の世界経済はどのような姿になるのか。過去の恐慌の教訓を踏まえて、実力派エコノミストが鋭く分析。
内容説明
FRB、長期国債の大規模買い切りへ!ついに始まったグローバル量的緩和。日本は乗り遅れてしまうのか。
目次
序章 金融危機から経済危機へ
第1章 21世紀の金融危機
第2章 金融危機前史―1907年恐慌
第3章 世界大恐慌の再来か
第4章 恐慌型不況を克服する方法はあるのか
第5章 もはや対岸の火事では済まなくなった日本経済
第6章 世界経済システムはどう転換するのか
第7章 今後のリスク要因を考える
終章 世界経済はどこに行くのか
著者等紹介
安達誠司[アダチセイジ]
エコノミスト。1965年生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、金融機関調査部勤務。著書に『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社、2004年。日経・経済図書文化賞受賞)、『脱デフレの歴史分析』(藤原書店、2006年。河上肇賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しろくまZ
4
2009年発行で、2008年のリーマン・ブラザースの経営破綻のすぐ後の著作。「歴史に学べ」という訳で、1907年恐慌と1930年代の世界大恐慌の分析がなされて、危機克服のために必要な経済・金融政策などが述べられている。特に印象的なのは、ルーズベルト時代の財政政策の役割が、財政支出で景気を直接刺激するオールド・ケイジアン的なものではなく、量的緩和の継続的な実施を担保するものであったという指摘。それから「出口戦略」を誤ると、1937年恐慌のような事態が起こり得るというのが怖い。2016/06/23
メルセ・ひすい
2
× 楽観論で失敗 又× 金融危機が経済危機にまで深化していったメカニズムをはじめ、それを克服するためには何が必要なのか、危機克服後にはどのような経済社会が待ち受けているのかを、戦前の経済危機との比較から考察する。2009/07/01
Uたロー
0
今回の金融危機のメカニズム。戦前の金融危機から、恐慌に陥らないための対処法。危機脱出後の世界経済のあり方。これら著者の考察には目を見張るものがあった。が、日本が取るべき対策として、円安誘導による輸出企業主動で景気回復せよという主張は頂けない。輸出企業主体の経済体系では最早日本は立ち行かなくなるだろう事は、この著者なら分かりそうなんだけどなあ。まあ職業上、こう言わざるを得ないのかな。2012/01/04