「はだかの王様」の経済学―現代人のためのマルクス再入門

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  • サイズ A5判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492371053
  • NDC分類 331.6
  • Cコード C3033

出版社内容情報

マルクスの思想は、じつは今日の日本でも十分に「使える」ものだった。その思想の中心的な概念である「疎外」とは何か。日常的な例を用いて、平易に解説する。

内容説明

荘子から現代ゲーム論までを貫くマルクス疎外論の社会図式。

目次

第1章 「はだかの王様」で世の中を見ると
第2章 おカネはどうして通用するのか
第3章 「疎外」ということ―「はだかの王様」の哲学
第4章 資本主義経済の仕組みを疎外論で説く―価値・価格・搾取
第5章 資本主義経済の仕組みを疎外論で説く―資本の蓄積
第6章 ゲーム理論による「はだかの王様」型制度分析
第7章 制度の変化のゲーム理論分析
第8章 疎外なき社会を求めて―今できることとできないこと

著者等紹介

松尾匡[マツオタダス]
1964年生まれ。87年金沢大学経済学部卒業。92年神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。久留米大学経済学部助教授・教授等を経て、2008年4月より立命館大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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おおにし

14
今回の総選挙において、アベノミクスが国民に支持された理由は、この本で展開されるゲーム理論による制度分析で説明がつくのではないかと思いました。安倍政権が進めようとしている政策を国民は最善とは判断してはいないが、野党を選択すると景気が悪化するかもしれないという恐れがあるので、次善として与党を選んでしまった(ナッシュ均衡)ということではないでしょうか。何かちょっと外れているかもしれませんが、タイムリーに読んだせいか、こんな感想になりました。2014/12/21

mit

7
マルクスの疎外論によって社会や歴史、経済の仕組みや問題を分かりやすく解説しようとした意欲的な書。人間社会共通の美徳が観念として独り歩きし、個々の人間を抑圧するという構図で、日本の戦前の軍国主義、ソ連型の国家社会主義などの問題点を指摘する。貨幣や資本主義における「疎外」を解説し、ゲーム理論を用いても疎外論と同様の結論が説明できるとする。現代社会における「疎外」問題の解決のために、労働者が協力し、自主的に生産をコントロールする運動を草の根的に進めていけば、社会の上部構造が変わるであろうとする著者の議論は微妙。2014/09/11

ひろゆき

1
導入部は入門書のようなのですが、真ん中辺りで著者の説が出てきて、専門めいてきます。疎外論の強調ははなんらかの人間本質を前提とし、何にでも広げてしまい、結果、怪しげな言葉になるので私は好きではない。価格と、人と人との依存関係との「ズレ」だけで充分では。価格の世界で起こっているプラスの利潤という事態を、投下労働の世界に数学的に落とし込むという著者。マルクス経済学に近経の手法を持ち込んだほうが社会主義への移行について、より説得力を増すと言う。 労働再生産価格の曖昧さなど私のなかで疑問のままであったのが解決した2014/05/03

よこづな

1
各自が見込みで生産し合うのも(まさにそれが)モノを媒介にした「疎外」である、と。2013/04/13

邪馬台国

1
資本主義がもたらす疎外と、みんな違うと思っているけど言い出せない心理的な仕組み。世の中は一筋縄ではいかないけれど、実はとても単純なものに囚われているというのがはだかの王様の例えからもよくわかった。2011/03/22

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