内容説明
「知的熟練」と「長期の競争」に重きを置く著者独自の一貫した論理が、多くの統計・資料を裏付けに、展開される。最新テーマを織り込んだ全面改定版。
目次
さまざまな労働者グループ
知的熟練
大企業労働者のキャリア
大卒ホワイトカラーの人材開発
報酬Pay―年功賃金か
長期雇用と解雇
現代の理論
中小企業労働者
女性労働者
高年労働者とフリーター
海外の日本企業
働く場での労働組合
マクロの労働経済
基礎理論と段階論
著者等紹介
小池和男[コイケカズオ]
1932年新潟市生まれ。1955年東京大学教養学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程卒業。東京大学、法政大学、名古屋大学、京都大学、法政大学、東海学園大学勤務をへて、現在、法政大学教授(大学院イノベーションマネジメント研究科)。紫綬褒章(1996年)。専攻は労働経済学。著書に『職場の労働組合と参加―労資関係の日米比較』東洋経済新報社、1977年(エコノミスト賞、労働図書賞)、『中小企業の熟練』同文舘、1981年(中小企業研究賞)、『労働者の経営参加』日本評論社、1979年(サントリー学芸賞)、『人材形成の国際比較―東南アジアと日本』(猪木武徳氏と共編)東洋経済新報社、1987年(沖永賞、太平記念賞)など
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感想・レビュー
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やまやま
14
会社組織における労働者の知的熟練の形成、賃金の在り方、長期雇用、労働分配などの知識の整理を意図して目を通した。今でも納得できる部分もある一方で、産業構造変革の測度の方が速く、モデルが既に過去のものである部分もある。日本の国際競争力が高い時代に書かれたため、現在では企業はどこまで社員教育・能力育成に資源を割くだろうかと不審に思う一方で、学校を出ただけでは実務能力を欠くことも事実である。現実には、本書で語られたれた雇用の特性は、安定して組織を維持するための労働者のモチベーションになっていることも事実と考える。2021/12/08
くまりん
1
「労働」経済学ではなく「仕事」の経済学。こだわり深い統計データの精査によって、「男女賃金格差」や「終身雇用」に対する常識とその間違いを明らかにしていく。作者の意志が一貫されていた教科書に感じた。2013/12/26