避難弱者―あの日、福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか?

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避難弱者―あの日、福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか?

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492223314
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0036

出版社内容情報

福島原発、爆発――放射能が飛び交う中、自らの危険を顧みず老人に寄り添った介護士たちの奮闘と葛藤を描き出す衝撃のルポ。

2011年3月11日、福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか?

原発から爆発音が聞こえた――
放射線が飛び交う中、自力での避難が不可能な老人を守るため、
自らの危険を顧みず老人に寄り添った介護士たちの
奮闘と葛藤を克明に描き出す、感動のルポ。


「終わりだ。原発が爆発した」「やれることはやっぺ」「死に物狂いでくっついてこい!」
「利用者がこのまま死んでもいいというんですね」「もう限界です」「県知事命令は受けている」
「逃げるな!」「誰を残すかなんて、そんなの選択できないですよ」「私たちに死ねっていうんですか!?」
「寒い寒い」「酒でも飲んで、2人でなんとかすっから」「これで誰も死なせなくて済む」
「動かしたら死んじゃうんじゃない?」「やっぱり、高齢者には避難は無理なんだ」「老人殺し」
「最後は俺がケツを拭くから」「いいよ! おらあ受けるよ」「職責もなんもねえけど、困ってたらほっとけねえべ?」
「やっぱりご飯はうめえな」「こんなときに不謹慎に大笑いして」「俺、多分、ギリギリまで帰らないから」
「家族をおいてまで、利用者をケアするのか」「子どもができなくなったら、どう責任とるんだよ!」
「私だって、赤ちゃんが産みたい……」「弱者が淘汰されていくのかと思うほど簡単に亡くなっていく」



「おらがこんな状況だから、みんなおらのこと置いて逃げんだべ」
「なあに言ってんの、最後までおいていかないよ。……最後まで、一緒だよ」



黒川清【国会事故調 元委員長】推薦!
ここかしこに1人ひとりの現場の人たちの生き様があぶり出されてくる。
苦悩がある、多くの感動がある、そして多くの悲劇がある。
この報告から、何を学ぶのか。このような現実にどう対応していけばよいのか。
これは私たち1人ひとりに突きつけられた課題である。

第1章 「終わりだ。原発が爆発した」
--死者が続出した老人ホーム、バラバラに避難した老人ホーム

第2章 「おらがこんな状況だから、みんなおらのことおいて逃げんだべ」
--最後まで取り残された老人ホーム、長距離避難を強いられた老人ホーム

第3章 「やっぱり、高齢者には避難は無理なんだ」
--避難しないことを選択した老人ホーム

第4章 「最後は俺がケツを拭くから。明日にでも受け入れるよ」
--行政よりも早く避難者の受け入れに動いた会津の老人ホーム

第5章 「子どもができなくなったら、どう責任とるんだよ!」
--現場で戦った職員の本音

第6章 「弱者が淘汰されていくのかと思うほど、簡単に亡くなっていく」
--今、何をすべきか

【著者紹介】
相川 祐里奈(アイカワ ユリナ)
ジャーナリスト
1986年愛知県生まれ。2010年慶應義塾大学総合政策学部卒業。大手新聞社に勤務した後、2012年3月、国会に設置された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)に事務局調査員として参加。解散後はフリージャーナリストとして活動している。

内容説明

原発から爆発音が聞こえた―放射線が飛び交う中、自らの危険を顧みず老人に寄り添った介護士たちの奮闘と葛藤を克明に描き出す感動のルポ。

目次

第1章 「終わりだ。原発が爆発した」―死者が続出した老人ホーム、バラバラに避難した老人ホーム
第2章 「おらがこんな状況だから、みんなおらのことおいて逃げんだべ」―最後まで取り残された老人ホーム、長距離避難を強いられた老人ホーム
第3章 「やっぱり、高齢者には避難は無理なんだ」―避難しないことを選択した老人ホーム
第4章 「最後は俺がケツを拭くから。明日にでも受け入れるよ」―行政よりも早く避難者の受け入れに動いた会津の老人ホーム
第5章 「子どもができなくなったら、どう責任とるんだよ!」―現場で戦った職員の本音
第6章 「弱者が淘汰されていくのかと思うほど簡単に亡くなっていく」―今、何をすべきか

著者等紹介

相川祐里奈[アイカワユリナ]
1986年愛知県生まれ。2010年慶應義塾大学総合政策学部卒業。大手新聞社に勤務した後、2012年3月、国会に設置された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)に事務局調査員として参加。解散後はフリージャーナリストとして活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kinkin

31
3.11の時、福島原発事故時に老人ホームや介護施設において何が起きていたのかを多くの証言を元に構成されている。この地震以降、多くの避難マニュアルや、法律などが作られたが、それがまたどこかで起こるであろう災害時にちゃんと活かせるかは疑問の部分もある。第6章、今何をなすべきかとても大事なことが書かれている。災害時に国、地方自治体、各市町村がどう対応できるか 大きな災害時に「想定外」という言葉を使わなくともよい仕組みを構築することが大事だと感じた。2014/08/03

壱萬弐仟縁

18
平常時ですら、健康な人からすれば非常時の健康状態の方。31頁脚注16によると、当時の枝野官房長官の不安の同心円波紋。思い出した。最初から広げればいいのに、徐々に避難圏を広げていくとは、今でも逆であったと思われる。1F周辺には老人ホームが多い(48頁)。麻生太郎氏は、年寄りはとっとと・・・発言はそうした立地を言い当てているかのようである。酷い話だ。水素爆発した時に、北西方向が高濃度だったのに、福島高校体育館経由して栃木県方向へ逃げたようだ(61頁)。65頁では職員が留まるか、逃げるか二者択一を迫られている。2013/12/09

ようはん

15
東日本大震災による福島原発事故を避難区域にある各老人福祉施設の視点から見た一冊。未曾有の大事故の中で普通の人でも急に避難する事自体は困難であるが施設の入居者はそれぞれ身体が弱く一人一人事情を抱えており食事や避難方法の確保、転々とする避難場所とかなりの困難と苦労を極めていたのが生々しく書かれている。その中で入居する高齢者の方々の避難や介護に尽力した各施設の施設長や職員の方々の苦労には頭が下がる思いである。2019/06/23

遊々亭おさる

15
2011年3月11日、東日本大震災と原発事故、福島原発間近にある市町村で次々と避難指示が出るなか、要介護者が住む老人ホームは混乱の極みのなか手探りで命がけの選択を迫られていた。はたして、福島原発間近の老人ホームが残した教訓とは何か?事例としては些か規模が大きすぎるのだけれど、老人ホームや病院、お年寄りが住む各家庭は普段、何に気を付けなければならないかを知る縁にはなると思います。備えがあっても憂いは残るが、その日は突然やってくる。少なくとも施設長クラスの人は、入居者及び職員の命を守るために必読の一冊。2014/06/15

Humbaba

6
普段の生活でも介護が必要な人。そのような人は、震災が起こった時には非常に厳しいことになる。介護をしている人間も、同じ場所に住んでいるのだから震災の被害を受けている。その状態において、普段と同じ介護を求めても、それは難しい。また、避難所では道具もない以上、介護者は普段以上の負担を強いられる。震災時にどう対処するかは、平時の時にこそ考慮する必用がある。2013/09/26

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