ニッケル・アンド・ダイムド―アメリカ下流社会の現実

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  • サイズ A5判/ページ数 295p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492222737
  • NDC分類 366.025
  • Cコード C3036

内容説明

貧困から這い上がれない低賃金労働者たちの実態を描く。

目次

序章 中流との決別―私はこうして低賃金で働くことになった
第1章 フロリダ州でウェイトレスとして働く
第2章 メイン州で掃除婦として働く
第3章 ミネソタ州でスーパーの店員として働く
終章 自分への通知表―格差社会で働くということ

著者等紹介

エーレンライク,バーバラ[エーレンライク,バーバラ][Ehrenreich,Barbara]
アメリカ屈指のコラムニスト。1941年、モンタナ州生まれ。1991年から97年まで『タイム』誌のレギュラーコラムニスト。現在は『プログレッシブ』誌へ定期的に寄稿。そのほか『ニューリパブリック』『ネイション』『ミセス』『アトランティック・マンスリー』『ハーパーズ・マガジン』各誌のコラムニストとしても広く活躍。1980年に全米雑誌賞(National Magazine Award)、1982年にフォード基金賞を受賞。現在、フロリダ州キーウエスト近郊に在住

曽田和子[ソダカズコ]
翻訳家。中部大学非常勤講師。東京外国語大学英米科卒業。南山大学大学院文学研究科英文学修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヴェネツィア

382
ジャーナリストによるアメリカ低賃金労働の職場潜入ルポルタージュ。著者のバーバラ・エーレンライクは当時(2000年)50代半ば。就いた職業はウェイトレスや掃除婦など計6つ。いずれも時給が6ドル~7ドルくらいであるが、彼女は自分の年齢や体力を考えてそれ以上の無理はしていない。したがって、これらが必ずしも底辺労働という訳ではないだろう。最も辛そうだったのはポートランド(メイン州)のメイズで掃除メイドとして働いた時。同じような時給のコンビニエンスストアの店員にも見下されるのである。尊厳を失うことは多くの⇒2023/01/03

おさむ

33
約20年前のアメリカにおける「働く貧困層」ワーキングプアの実相を浮き彫りにしたミリオンセラー。女性コラムニストが体当たりで低賃金労働者となり、収奪の経済構造を体現する。日本で言えば、鎌田慧の「トヨタ絶望工場」といったところか。家賃のインフレ、伸びない賃金水準、経営者側の反対勢力を取り込む能力などいまの日本にも十分通じる話。著者は最後にこのまま報われぬ日が続けば労働者達の怒りは爆発するだろうと予言した。しかし、その結果は、移民への歪んだ怒りとなり、排外主義のトランプ大統領を生んだのは悲しすぎる皮肉だ。2019/12/12

どんぐり

21
時給7ドル前後の低所得者生活を体験し、その実態を探ろうとする女性ジャ-ナリストの潜入ルポ。自らに課したルールは次の3つ。①職を探すにあたって学歴や本来の仕事から得た技能に頼ってはならない、②採用されたなかでいちばん高給の仕事を選びそこで働き続けられるよう最善を尽くさなければならない、③見つけられるかぎり最も安い住まいを選ばなくてはならない、というものだった。最初は、フロリダでのウェイトレス、次がメイン州での掃除婦、そしてミネソタ州でスーパーの店員だった。低賃金労働にあったのは、来る日も来る日も、ずっと同2013/04/21

ののまる

13
ニッケル=5セント硬貨、ダイム=10セント硬貨。アンドで繋いで「取るに足らない」「少しずつの支出がかさんで苦しむ」「少額の金銭しか与えられない」、つまり貧困にあえぐということ。貧困層に飛び込んで働いてみた潜入ルポだが、最終章の格差社会の分析がとてもよかった。自身が中流以上の元の階層に戻ったとき、落ちたウサギの穴が閉じて見えて無くなる。このウサギの穴に落ちて這い上がれない人びとが、トランプ当選でその存在が顕在化したわけだが。2021/05/24

苦虫

11
勧められて。アメリカのワーキングプアのルポルタージュ。…明日は我が身。いつでも戻れる、という命綱があったからかそこまで著者の緊迫感は感じられなかったけれど、そして低賃金に反旗を翻せ!となるところではルポルタージュの立ち位置を無視しているように思える。このような低賃金労働には「痛み」がつきものなのかもしれない。彼らの稼ぐ適正価格で住める家が見つからないというのは死活問題。お金持ちの家を掃除しても、家主を羨ましいとは思わないのが衝撃的。バイトでも薬物検査と適性検査は重要。物を盗んだ仲間を密告するか否か?2016/01/07

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