ベイジン〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784492061480
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

毎夜それは生まれ、毎夜それは消えるもの、それは希望―。田嶋伸悟と〓(とう)学耕は、必ずしも重ならない想いを抱えながら、さまざまなトラブルを乗り越え、紅陽核電運転開始に向けて突き進んでいく。そんな慌ただしい日々の最中に、父・寛吾が危篤に陥ったとの知らせが田嶋に届く。造船技師だった父は伸悟に「もうええ。それ以上無理せんで。はよ、船から降りるんじゃ」と言い残し、冥界へと旅立っていった。一方、中国映画の気鋭として五輪記録映画の総監督に抜擢された楊麗清は、レンズの向こうに見える中国の問題と希望を見つめていた。そして迎えた、2008年8月8日。中国の威信を懸けたイベントに「希望」を託した人々の運命はどこへ向かうのか。未曾有の大作、いよいよ完結。

著者等紹介

真山仁[マヤマジン]
1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒。新聞記者、フリーライターを経て2004年、『ハゲタカ上・下』(ダイヤモンド社/講談社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

41
北京五輪と原発事故がテーマ。2008年の本なのに、3年後の福島原発事故をまるで予言していたかのような内容に驚きます。さらに、ブラックアウトは昨年の北海道地震で起きました。都合の悪いことは見ないようにする。起きないと思い込む。それがいかに愚かなことか、を真山さんは小説を通して僕たちに教えてくれる。まるで現代の預言者のようです。一気読みでした。2019/01/08

みきりん

19
仕事に人生をかけた熱い想いに、幾度となく感動で目頭がジーンときました。読んで良かったと思える作品でした。2018/10/08

たくぼん

13
★★★★★とても2008年以前に書かれた小説とは思えない、リアリティのあるもの。”愛国無罪”やデモに対する中国政府の動きなど、まるで尖閣問題のよう。”多くの人の想いを集め紡ぐための語り部に過ぎない”とおっしゃっている通り、原発について、特に緊急時対応の際の描写など、綿密な取材の上での表現ばかりで、読み応えがあった。原発事故が進む経過は、まるで近年経験したことを予言していたかのよう。著者が取材し発表できるのであれば、政府や電力会社はあの時もっとよき対応ができたはず。できなかったのであれば、神の火は。。。2012/10/16

kotte

12
この本が福島第1原子力発電所事故前に書かれていたことに驚きました。著者の緻密な取材により書かれたフィクションが事故の原因は違うにしろ、福島第1原子力発電所事故と同じような結末に向かっていくことに引き込まれて読み終わりました。また違う視点で読んでみたいので、文庫本で再読したいと思います。2016/12/14

Carlos

9
結末はちょっともどかしい。ドンが良い人になっていった。2013/11/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/506580
  • ご注意事項