内容説明
通勤電車の読書などで経済を独習し「日本のケインズ」といわれるまでになった自己改造の努力。日本が軍国化への道を進むなか、「小日本主義」を唱え、満州・朝鮮の放棄を主張した勇気。金解禁論争で世論に流されず、時の政権に堂々たる言論戦を挑み、時代を予見した識見。迫害を受けながらも、軍部を批判し言論活動を継続した使命感。そして戦後、総理大臣の地位につきながらも、自らの信念にもとづき退陣した出処進退の見事さ。―現代史に燦然と輝く、巨人の思想と生涯をつづった渾身の伝記長編1100枚。
目次
第1章 仏門の子
第2章 早稲田大学
第3章 入営まで
第4章 東洋経済新報社
第5章 経済記者への自己改造
第6章 民主政治論
第7章 小日本主義
第8章 金解禁論争
第9章 不況の嵐―金解禁実施
第10章 戦争と自由主義者
第11章 首相への道
著者等紹介
小島直記[コジマナオキ]
作家、1919年福岡県生まれ。東京大学経済学部卒業。65年から文筆に専念。経済小説や人間評伝の作品を数多く発表し、伝記文学の第一人者となる
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