内容説明
戦の末に敵国の奴隷となり、身も心もぼろぼろになって故国に戻ってきたカザリル。運良く少年の頃に仕えたバオシア藩で、国主の妹イセーレの教育係兼家令に任ぜられた。だが、イセーレが弟と共に宮廷に出仕することになったため、カザリルも否応なしに陰謀の渦に巻き込まれることに…。五柱の神々を崇める国チャリオンを舞台にした、ビジョルドの異世界ファンタジー三部作開幕。
著者等紹介
鍛治靖子[カジヤスコ]
東京女子大学文理学部心理学科卒、翻訳家。梶元靖子名義でも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くりり
56
五神教シリーズ、長年積んでたけど、やっと読み始めます(笑)、 謀略で敵国の奴隷となり身も心もぼろぼろになったカザリルが、藩主の娘の教育係兼家令となり...ディテールに凝った中世?ヨーロッパ風ファンタジー2020/01/30
wata
51
有能で真面目な指揮官が身内に裏切られて奴隷生活に耐え、やっと心落ち着く場所が見つかったのに…。イセーレ国姫がカザリルの教えを吸収して逞しく戦略的に生き抜く姿が応援したくなる。2020/07/06
宇宙猫
24
★★★★★ 味方の策略で敵国の奴隷となっていたカザリルが国に戻り、国主の異母妹の教育係兼家令になり権力闘争に巻き込まれる話。かっこ良くないかっこ良さで嫌味がない。でも、うじうじ悩み過ぎか。2018/12/14
慧の本箱
20
ちょっとヘタレ気味の三十半ばのカザリル。分けあって奴隷船に売られ身も心もボロボロ状態で故郷チャリオンに帰ってきたところから物語の幕開け。そして、宿敵と遭遇してカザリルの決断と行動は・・・ファンタジーの世界を大いに楽しみながら下巻へ。2024/04/05
本の蟲
14
長編スペースオペラ『ヴォルコシガン・サガ』作者による五柱の神々を崇める世界のファンタジー、『五神教』シリーズ。同一世界の『魔術師ペンリック』がおもしろかったのでシリーズ一作目を。元荘侯であったカザリルは戦の末、ガレー船に売られるもいくつかの幸運を拾い、乞食のような有様で故国チャリオンに戻ってきた。かつて小姓として仕えていた藩姫を頼り、その孫娘にして現国守の妹イセーレの教育係兼家令の職を得る。自身を陥れた卑劣な罠のことも努めて考えず、穏やかに暮らしていたが、まもなくイセーレが弟と共に宮廷へ出仕することに(続2021/09/13