創元推理文庫<br> 落下する緑―永見緋太郎の事件簿

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創元推理文庫
落下する緑―永見緋太郎の事件簿

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  • サイズ 文庫判/ページ数 340p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488475017
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

唐島英治クインテットのメンバー、永見緋太郎は天才肌のテナーサックス奏者。音楽以外の物事にはあまり興味を持たない永見だが、ひとたび事件や謎に遭遇すると、楽器を奏でるように軽やかに解決してみせる。逆さまに展示された絵画の謎、師から弟子へ連綿と受け継がれたクラリネットの秘密など、永見が披露する名推理の数々。鮎川哲也も絶賛した表題作にはじまる、日常の謎連作集。

著者等紹介

田中啓文[タナカヒロフミ]
1962年大阪府生まれ。神戸大学卒。93年「落下する緑」を鮎川哲也編の『本格推理』に投稿し入選。長編『凶の剣士』(後に『背徳のレクイエム』に改題)が第2回ファンタジーロマン大賞に佳作入選。2002年「銀河帝国の弘法も筆の誤り」が第33回星雲賞日本短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

46
ジャズ・サックス奏者の永見さんの娘さん?かもと思える高校生の物語を、月刊小説誌で読み、父親?の事が知りたくなり、読み始めました。 著者のデビュー作のようです。 まだ若い独身で、細かな事に無頓着な人。 彼のバンマスである唐島さんが語る、様々な場面で起こった不思議を、永見さんが独特の感性で解き明かす短編集。 ジャズの知識がないので、そちらの面での面白みは理解できていないのですが、音楽として、とても興味深く、奏者達の素晴らしさは伝わってきました。 2015/02/22

yumiDON

21
ジャズバンドに所属するテナーサックス奏者の永見が探偵役ということで、音楽の世界で起こる日常の謎といったところの連作短編集。雰囲気がどこか小洒落れていて、どこからかジャズのナンバーが聞こえてきそう。ミステリーとしてはライトな部類なだけに、気軽にいつでも読めるフラットな物語だ。犯人の執念深さに思わずため息をつく「揺れる黄色」や結末が思わず微笑みたくなる「遊泳する青」、読んだ後爽快感を感じる「挑発する赤」がお気に入り。2022/08/06

ふじさん

20
「本格推理」入選の表題作をシリーズ化した、第一短篇集。著者の単著を読むのは初めてだったが、良い意味でイメージと異なる手堅く纏まったミステリで、一切の不安無く頁を捲れた。独自性の面ではやはり、著者自身の経験が存分に活かされたジャズ・ミュージシャンの描写が秀逸。国籍も文化も善悪すらも超え、音楽というただ一点通じ合える部分を持つ人々の空気感、そこへ浸透していく探偵役の推理は心地好かった。天才肌の名探偵は「如何にも」な造形だが、音楽家という背景を負うと何となく納得感も出るのが面白い。個人的な白眉は「遊泳する青」。2021/12/21

kokada_jnet

19
ジャズ・ミュージシャンが探偵役の連作短編集。なかでも「砕けちる褐色」が面白かった。「一緒にセッションすることで犯人を探しだす」!2018/10/12

ざれこ

18
文庫で再読。セッションの盛り上がりが聴こえてくるようなライブ描写、やっぱりテンションあがりますね。プレイしてないと書けない臨場感。永見の推理もセッションやったらわかるとか、ほかにはあんまりない感じで面白い。最後の砕け散る褐色(このセッションは最高です)と、挑発する赤にはスカッとしました。永見のキャラも天然でつかみどころなく面白い。どうやら田中さんも永見風のフリースタイルのテナーを吹いておられるようだし、バンドも関西のようだし、機会を見つけて聴きにいきたいです。続編も楽しみに読みます。2017/02/17

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