内容説明
あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、ぼくの幸せな高校生活は始まった。学校中を二人で巡った文化祭。夜風がちょっと寒かったクリスマス。お正月には揃って初詣。ぼくに「小さな誤解でやきもち焼いて口げんか」みたいな日が来るとは、実際、まるで思っていなかったのだ。―それなのに、小鳩君は機会があれば彼女そっちのけで謎解きを繰り広げてしまい…シリーズ第三弾。
著者等紹介
米澤穂信[ヨネザワホノブ]
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
429
小佐内さん、相変わらず甘いもの食べまくりですけれど、栗きんとんがまだ出てきませんね。人間関係が複雑になってきました。でもそれは恋愛関係のようで、恋愛関係でないのですね。そう、恋愛関係というには決定的に足りないものがある。それは“passion”情熱ではないかと。小鳩くんが仲丸さんと付き合うのはなりゆき。小佐内さんが瓜野くんと付き合うのは??? 上巻での最大の疑問はこの点だ。瓜野くんはどう贔屓目に見ても小佐内さんの相手ではない。おそらく小佐内さんの掌中で転がされている。復讐が好物という小佐内さん、不気味だ。2012/10/26
まりも
391
小市民シリーズの3冊目。小市民になる為の互恵関係を解消した二人がお互いに新たなパートナーを見つける所から始まる話。表面上は新しい恋人と普通の青春を過ごしているように見える二人ですが、お互いの目から離れた事で自制が効いていない感じがしますね。小鳩君の方は座席を推理で確保したりと微笑ましい所があったけど小佐内さんは普通に怖いw 何を考えているのかが全く分からないせいで小悪魔というよりもただの悪魔にしか見えないわ笑 瓜野の噛ませ犬感もすごいけど、下巻がどうなるのか楽しみです。2015/04/06
kishikan
363
「夏期限定」で互恵関係を解消してしまった小鳩君と小佐内さん。「秋期限定」ではどんな展開になるのやらと思っていたら。お互い彼女彼氏ができてしまい、とかなんとかしている内、話は船戸高校の学内新聞が追う連続放火事件へと発展。なにやら不穏な空気が・・・。これは簡単に読み流すことはできない。あちこちに伏線が張られているぞ!と思っていたら、上巻最後にまた話があっと思わせる展開になります。「栗きんとん」の謎、小鳩君と小佐内さんはどうなるの、そして放火事件はどんな結末に?既に高校3年、一体下巻はどう展開するんでしょうね。2013/02/04
sk4
351
『夏』で最後に小佐内さんが流した涙を引きずりつつも、瓜野に優しくする小佐内さんになんだか軽い寝取られ感。勝手に高揚して唇を奪いにきた瓜野の攻撃を、レシートを一枚唇と唇の間に差し込んでかわす場面などは、逆に燃え上がる演出と勘違いしそうだよね。ハラハラするw 小佐内さんが犯人説というのはミスリードだろうと信じつつも下巻へ。2012/09/16
hiro
314
面白い。やはり、春期、夏期限定を読んで、小佐内の狼ぶりがわかっているからこそ、人が悪いけれど、かわいそうな何も知らない年下の羊ちゃん、瓜野をみて面白い。誰がまた小佐内を怒らしたんだろう。小佐内は小市民でいてもらわないと、常悟朗が苦労する。中学生のころの常悟朗が今の瓜野のようだったのだろうか。常悟朗がどのように連続放火事件を解決するのだろう楽しみだ。こんな感想を書いている場合ではない、早く怒涛の解決編、下巻を読もう。しかし、米澤さんの小説では校内放送で生徒が呼び出されるシーンが多いが、これは作者の経験から?2013/01/06