創元推理文庫<br> 薔薇の輪

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創元推理文庫
薔薇の輪

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488262037
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ロンドンの女優エステラ。その絶大な人気は、体が不自由でウェールズに住んでいるという娘との交流を綴った新聞の連載エッセイに支えられていた。エステラの未来は順風満帆に思われた。服役中の危険人物の夫が、病気のため特赦で出所し、死ぬまえに娘に会いたいと言い出すまでは……。勃発した怪事件に挑むのは、警部チャッキー。巨匠の技巧が冴える、本邦初訳の傑作ミステリ! 解説=福井健太

内容説明

ロンドンの女優エステラ。その絶大な人気は、体が不自由でウェールズに住んでいるという娘との交流を綴った新聞の連載エッセイに支えられていた。エステラの未来は順風満帆に思われた。服役中の危険人物の夫が、病気のため特赦で出所し、死ぬまえに娘に会いたいと言い出すまでは…。勃発した怪事件に挑むのは、警部チャッキー。巨匠の技巧が冴える、本邦初訳の傑作ミステリ!

著者等紹介

ブランド,クリスチアナ[ブランド,クリスチアナ] [Brand,Christianna]
1907年マラヤ(現在のマレーシアの一部)生まれ。イギリスに帰国後の17歳のとき父が破産。自活のため保母兼家庭教師やモデル、ダンサーなどさまざまな職業を転々とする。1941年、『ハイヒールの死』で本格的に作家デビュー。オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、女流ミステリ作家としての確固たる地歩を築く。また、1972年から73年までCWA(英国推理作家協会)の会長を務めた。1988年没

猪俣美江子[イノマタミエコ]
慶應義塾大学文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

184
★★★☆☆ ある女優のDV亭主とその手下が死に、娘も失踪する。そしてこの2つの事件の真相をチャッキー警部が探る話。 障害者を利用したビジネスの闇を感じるような話でドロドロした展開がブランドらしい。なかなか考えさせられる内容だった。 人間の弱さや醜さが暴かれるラストが切ない。1番悪いのは全てを主導した人物だけどね。2020/04/30

藤月はな(灯れ松明の火)

77
頭が軽く、演技が大根だが足の不自由な娘との生活エッセーで人気を博す女優。世間の同情と温かい支援によって順風満帆だった。暴力的な元夫が死ぬ前に娘に会いたいと言うまでは・・・。「ケントの恐怖」な迷推理警部、チャッキー、再び!相変わらず、迷推理がポンポン、飛び交うのですがそれぞれが実は的を得ている部分もあるという所に脱力。あんたはJDCのピラミッドか、如きシリーズの刀城言哉か!そしてジョニーの恋人の「スイートハートの記録でしょ。あの、気持ち悪い」と評する所がこの物語の本質を突いているのではないでしょうか?2016/06/21

キムチ27

38
さらっとストーリーを読むと幾重にも敷かれている伏線を読み外しそう。ブランド女史の頭の良さに敬服しつつ2回読み返して読了。英国では古典の部類に入るミステリーとは言え、人間喜劇とでも言いたいようなブラックコメディーの感強し。余りにも自己中の登場人物、対するは平凡が服を着たようなチャッキー警部。美しい妻と穏やかに過ごす捜査の日々に飛び込んできたこの事件。スウィートハートという名前も皮肉っぽいけど「世間って残酷だし、目に心地よいものを選び、無力なものには目もくれない」という本質を白日にさらしていく過程がリアル。2016/07/21

mocha

35
70年代イギリスの作品なので、勝手にルース・レンデルのようなずっしりしたものを期待してしまった。「マチルダおばさん」シリーズの著者ということで納得。捜査ののどかさは時代だからしょうがないとしても、トリックもあざやかとは言えず、終始もたついた感じがする。とはいえ、往年の作品を読む機会が得られるのは嬉しい。創元社さん、埋もれた作品をどんどん刊行してください。2015/07/20

geshi

34
物足りなさはあるが、人間に対するシニカルな目と謎をあらゆる方法で検討する推理はやはりブランド。障害を持つ娘との生活を綴ったエッセイも一皮むけば打算と虚飾にまみれ、それに群がるマスコミや大衆の醜悪さが透けて見える。容疑者が嘘をついているのは分かるが、何かを隠しているという疑念こそがミスリーディングとなっているプロットが巧い。途中でチャッキー警部がトリックを推理し、途中で否定されても「それじゃあこうだ」とねちっこく縋り付く、そこまでやるか感こそブランドの愉しみ。2015/07/30

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