出版社内容情報
ルーン文字を刻まれ、心臓をえぐられた死体に隠された忌まわしい陰謀とは。欧米各国で活躍中、ＭＷＡ賞受賞の新鋭がシェトランドの伝説をもとに描く、英国ミステリの傑作！
内容説明
シェトランドに越してきたトーラは、ある日女性の死体を掘りあててしまう。心臓がえぐられ背中に三つのルーン文字が刻まれた遺体は、出産後間もない身だったことを語っていた。やがて身元が判明するが、彼女は遺体から推定される死亡年月の前年に死んだことになっていた。閉鎖的な島になじめず苦悩する女医が巻き込まれた不可解な事件。ＭＷＡ賞受賞の新鋭が放つ傑作英国ミステリ。
著者等紹介
ボルトン，Ｓ．Ｊ．［ボルトン，Ｓ．Ｊ．］［Ｂｏｌｔｏｎ，Ｓ．Ｊ．］
処女作の『三つの秘文字』でいきなりＭＷＡ（アメリカ探偵作家クラブ）のメアリ・ヒギンズ・クラーク賞にノミネートされ、英米で発行部数２５万部、１３か国で翻訳刊行と好評を博す。惜しくも受賞を逃すが、二作目のＡｗａｋｅｎｉｎｇで同賞を受賞。さらに三作目のＢｌｏｏｄ Ｈａｒｖｅｓｔとあわせて三年連続ノミネートという快挙を果たす。同作品はＣＷＡ（英国推理作家協会）の最優秀長篇賞など多数の賞の候補となり、新進気鋭の作家として英米で高い評価を受けている
法村里絵［ノリムラリエ］
翻訳家。１９５７年、東京都に生まれる。女子美術短期大学卒（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ナミのママ
63
舞台はシェトランド島。夫の故郷に移住してきた女医のトーラが主人公。雨の中、ミニショベルカーで穴を掘るという度肝を抜かれる巻頭。愛馬の亡き骸を庭に埋めるってすごい発想だ。さらにそこから死体が出てくる。身元不明女性の死体発見が大事件にならないのはおかしい。そして医者も警官も夫も島の男たちは繋がっているようだ。トーラは島外から来た女性巡査と絡みながら事件を探っていくのだが…。新作が久しぶりに発売となった著者のデビュー作品、本国は2008年発売。下巻へ。2024/04/25
HANA
44
ミステリ。掘り出された死体、島の共同体というふうにシチュエーション的には充分そそられる。さらに主人公が共同体外部の人間なので、登場人物全てが疑わしく主役以外全て敵みたいな印象を受ける。さらに島の天候の描写も相まって、読んでいると嵐の中を一歩一歩手探りで進んでいくような感じを受ける。主人公を女医にしたのも妊娠やジェンダーの問題と絡んで、事件の壁を厚くしているようでいいな。家に内蔵を置かれたり船で遭難したり、と局外者だった主人公の身にいよいよ危険が迫るところで下巻に続く。いや、本当に先が気になります。2014/05/31
Yuna Ioki☆
36
1633-64-5 初読み作家335人目。閉鎖的な田舎で見つかった死体埋められたは誰なのか？から始まるミステリー。閉鎖的な田舎だからこそ、よそ者であるトーラに向けられたよそ者扱いがよく分かる。期待して無かった分面白く上巻一気読み（笑）どういう事実が判明してどういう結末になるが気になるところ。2017/06/03
マサキ＠灯れ松明の火
17
ｼｪﾄﾗﾝﾄﾞ諸島の閉鎖的な村にして、夫ﾀﾞﾝｶﾝの故郷の村に共に越してきた産科医のﾄｰﾗ。ﾄｰﾗは、ある日、裏庭で女性の猟奇的惨殺死体を堀当ててしまう!閉鎖的な島に馴染めないﾄｰﾗは、同じく馴染めないﾃﾞｰﾅ巡査部長と反発しあいながらも事件の真相を求め動き出す。その先には、謎と彼女達を排斥しようとする島の有力者達の姿が…【下巻へ】2015/05/10
書斎六尺
14
スコットランドの北東の先端から百数十キロ離れた位置にシェトランド諸島がある。主人公の産科医トーラは最近ロンドンからそのシェトランド諸島の本島に移り住んでいた。彼女は自宅の裏庭で泥炭土の中から異常な状態での女性の死体を発見する。この女性が誰なのかを突き止めようとするが、周りの誰一人信用できない。島の閉鎖的な環境下で島の誰もがお互い知り合いなのだ。謎が謎を呼びページをめくる手が止まらない。また著者が「はじめに」で述べたこの地域の伝説とは何か、島に残されている秘文字とどう関わって来るのか下巻が非常に楽しみだ。2013/05/14
