創元推理文庫<br> 病める狐〈下〉

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創元推理文庫
病める狐〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488187088
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

シェンステッドのいちばん長い日―2001年12月26日はゆっくりと過ぎていく。村を訪れた女性軍人ナンシーは、その身に迫る危機をまだ知らない。すべてを操る謎の男フォックスの、いまだ判然としない正体と狙いは何か?村の老婦人エイルサの死を中心に広がるいくつもの事件の環は、居合わせた人々を巻きこみ、いま静かに閉じようとしていた。ミステリの新女王、会心の傑作。

著者等紹介

成川裕子[ナリカワヒロコ]
1951年沖縄に生まれる。1975年香川大学経済学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

39
一方、偶然出来たエアポケットのように、誰のものでもない林には、移動生活者(Travelers)の一団が集まり続けていた。それらの背後には、フォックス・イーヴルと名乗る謎の男がいた。上巻はシェンステッドという閉鎖空間にまれびと=トラヴェラーがやって来たことで、人間関係が不協和音で軋んでゆく過程を、かなりねちっこく描く。ウォルターズの本領発揮ワールドだろう。下巻はある人物の気づきによって一挙に謎がばたばたばたっと解けてゆき、ミステリファンをようやく満足させるのでは。2017/08/07

GaGa

32
この作者は初読み。読み出しはサイコサスペンスのように進むが、実は本格推理小説。邦題がナイスで病める人たちが事件の鍵の多くを握っている。ただ、ご近所がこんな人たちばかりだと、いくら金持ちでもいやだ(笑)なかなか読み応えはあったので、他の作品もいつか読んでみよう。2011/09/26

きいろ

29
卑劣だなー。フォックスも、操ってた方も。知らなかったら騙されてしまうかもしれない私も。恐ろしかった。気持ちの強さは、大事に思うことの有無に左右されるのかな。恐怖にさらされて無気力になるかどうかの差がどこにあるのか気になった。同じ立場になったとき、立ち向えるだけの見る目と勇気を持っていたいけれど…。2015/11/19

mejiro

14
人間の描き方は相変わらず鋭いが、善悪がわかりやすく分かれてるせいか、著者の作品にしては驚きや深みが少なかった。それでも十分おもしろくて、実力がある作家だと思う。『蛇の形』のほうが賞に値すると思うけど、内容が重すぎて一般向けではないのかな…。2019/01/22

oyai

8
著者二度目のゴールドダガー受賞作。まあこの賞の作品にあまり外れはなく好みのが多い。今回は作者にしては割と軽めで読みやすい。イギリスの田舎町に侵入してきたトラベラーズ達。館に住む大佐への中傷やら事件。複雑な家庭事情も絡んで展開して行く様々な事柄。最後は意外な犯人が…。実行犯や犯人の動機が最後は小物感があり、犯人の判明ももっとドラマチックでいいように思います。やや盛り上がりに欠けるも面白かった。さて最後は悲劇的結末を迎えるのかあるいは大団円となるのか。読んでのお楽しみw2014/03/18

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