内容説明
私生児だった著者は、パルチザンとして戦時を過ごし、その後出会ったヴィスコンティとの愛憎劇を超えて、オペラと映画の世界で頂点を極める。カラス、ドミンゴ、トスカニーニ、シャネル,リズ・テイラー…等の、彼にしか語れない素顔、オペラ演出の内幕。世界的なオペラ演出家・映画監督の小説より面白い自伝。
目次
名なしの子
フィレンツェの人々
パルチザン
解放
ルキーノ
広い世界
別離
女神
世界の舞台へ
ロミオとジュリエット〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nat
38
図書館本。中野京子さんの本の中で紹介されていたもの。日本ではオリビア・ハッセーのロミオとジュリエットやチャンプの監督として有名だが、オペラ界の巨匠だった。フィレンツェで私生児として生まれた生い立ちから、成功をおさめた60代までの自伝。シャネルやヴィスコンティ、ローレンス・オリビエやエリザベス・テーラー、マリア・カラスなどスターとの関わりを織り交ぜながらドラマのような半生が語られる。彼の映画やヴィスコンティの映画、そして様々なオペラを見てみたくなった。2021/08/25
ゆりあ
3
映画「ロミオとジュリエット」以来、「ブラザー・サン・シスター・ムーン」「ナザレのイエス」など、ゼフィレッリの映画のファンになったので、彼の自伝は大変興味深く読んだ。ヴィスコンティとの関係を読んだ時は、ヴィスコンティの映画を観たくなり、オペラの演出の話を読んだ時はオペラが観たくなった。読み進めていくうちに、彼の芸術世界を体感してみたくなった。2015/09/14
酒井一途
3
私生児として生まれた乱れた家庭環境、第二次世界大戦ではパルチザンに参加し、やがて映画と舞台の世界へ。そこではヴィスコンティ、シャネル、マリア・カラス、ローレンス・オリヴィエといった絢爛な人物たちと交流を持つ頂点の文化生活を歩んでいく。600ページを越える大著には、ながい続きが残っていた。というのも1986年に63歳で書かれたこの自伝、すでにその後24年が経ちゼフィレッリは87歳となったわけで。素晴らしい仕事の数々、まだ眼にしていないものも多い。少しずつ巨匠に触れていきたい。2011/06/17
tkm66
2
元、いわゆる業界の<美術さん>なんですね、この人。2006/09/18
ELW
2
オペラの演出家としてしか知らなかったゼッフィレッリが、シェイクスピアなどの演出はおろか、オペラ映画以外の映画監督もしていることを知って 俄然興味がわいた。『動物のお医者さん』の学生バイトの話の元ネタになった『珍談奇談 オペラとっておきの話』を読んでおいてよかった。2014/06/17