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夜の国のクーパー

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  • サイズ B6判/ページ数 404p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488024949
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

この国は戦争に負けたのだそうだ。占領軍の先発隊がやってきて、町の人間はそわそわ、おどおどしている。はるか昔にも鉄国に負けたらしいけれど、戦争に負けるのがどういうことなのか、町の人間は経験がないからわからない。人間より寿命が短いのだから、猫の僕だって当然わからない――。これは猫と戦争と、そして何より、世界の理のおはなし。どこか不思議になつかしいような/誰も一度も読んだことのない、破格の小説をお届けします。ジャンル分け不要不可、渾身の傑作。伊坂幸太郎が放つ、10作目の書き下ろし長編。

内容説明

猫と戦争と、そして世界の秘密のおはなし。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

668
2012年に刊行された書き下ろし長編で、寓話小説のスタイルをとる。作中では猫や鼠も人語を話し解するが、小説全体のトーンは重苦しい。とりわけ前半部においてそうだ。侵略者たる鉄国が突然にやって来るのだが、安部公房ばりの不条理な世界がそこに現出するわけではない。そして、タイトルにある「クーパー」がキー・コードとなって物語は進行してゆくのだが、後半はやや構想の緊密性が維持できなくなるようだ。それは、しだいに謎が謎でなくなるにつれて、途中からは結末が予想されるからでもある。最終部の着地も今一つキマラなかったか。2022/11/19

kishikan

533
あとがきで伊坂さんは、作中人物の名前については大江作品の影響があったと言うけれど、この小説全体に漂う雰囲気は宮沢賢治だったなぁ。この小説は純な世界に住む「猫」と現代人の「僕」という二つの視点で描かれた物語。伊坂さんらしいのはスゥィフトのガリバー物語を彷彿させながら、現代の政治や社会経済の矛盾を痛烈に指摘するところ。ファンタジー的なストーリは、伊坂さんの新境地という感じがする。その点これまでの作風と異なりとっつきにくいと思う人もいるだろうけど、僕は一段の高みに達したと評価したい。更なる活躍を期待したい。2012/07/30

扉のこちら側

529
初読。現代物だと思って読み始めたら、予想外にファンタジーで戸惑ったが、すんなり入り込めた。猫が語り手というのと、何も知らない日本人の彼へ国や戦争のことを教えていくという設定があったからだと思う。統治者のやり方とか、生け贄となりクーパーの兵士とか、人間の裏の面が書かれていたけれど、最後は綺麗にまとまっていた。2013/03/30

yu

505
一言で言うなら、大人の童話。オーデュボンの祈りの優午のような、不思議な世界観を味わえる。仙台から船で出発したら、こんな世界にたどり着けるのかなぁと思わずにいられない。 優午に会えるのか、トム君に会えるのかはその人次第?最後はやっぱり「帰る」んだろうけど、一度はこんな世界に紛れこむのもいいな。 そして、猫の世界の描き方がすごくいい。猫のつれなさがよくわかる。 猫を飼ったら名前はトムとギャロにしよう(2匹飼うのが前提?)。「会いたかったよ、トム」って言おう。 2012/06/04

ダイ@2019.11.2~一時休止

459
猫と話のできる男と猫が主人公のSF小説?。一気に回収されていく終盤は流石で、ハッピーエンドっぽい終わり方も良かった。2014/06/07

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