海外文学セレクション<br> 執着

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海外文学セレクション
執着

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488016623
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

出版社内容情報

30代の編集者マリアが、毎朝カフェで見る仲のよい夫婦。その夫がホームレスにメッタ刺しにされて死亡。その後、親しくなった未亡人から、夫の親友だったという男を紹介されるが、未亡人仲の良いその男とマリアは関係を持つように……。ある日男の部屋でマリアは、客と男の驚くべき会話を耳にする!  事件は通り魔殺人ではなかったのか? 三角関係の精算? それとも嘱託殺人? 愛とは? 人間とは? 読者を知的妄想に引き寄せる。ミステリ仕立ての愛をめぐる考察。

ハビエル・マリアス[ハビエル・マリアス]

白川貴子[シラカワタカコ]

内容説明

独身の編集者マリアが憧れていた夫婦。その夫が殺された。通り魔殺人?三角関係の清算?それとも…?ノーベル賞候補とも目される、現代スペインを代表する作家による、愛と死と罪をめぐる哲学小説。

著者等紹介

マリアス,ハビエル[マリアス,ハビエル] [Mar´ias,Javier]
1951年、スペイン、マドリッド生まれの作家、翻訳家、コラムニスト。父親は高名な哲学者。父親がアメリカの大学で教鞭を執っていたため、幼少時をアメリカで過ごした。ローレンス・スターンの『トリストラム・シャンディ』では、スペイン国民翻訳賞を受賞。著作は17歳の時の作品をはじめ、数多い。世界的に評価が高く、フランスのフェミナ賞、ドイツのネリー・ザックス賞、オーストリア国家賞、アイルランドのIMPACダブリン文学賞等の受賞歴があり、ノーベル賞候補のひとりとも言われている

白川貴子[シラカワタカコ]
翻訳家。国際基督教大学卒業。獨協大学外国語学部講師。南米や北欧に通算17年ほど滞在し、国際交流基金勤務を経て、現在は翻訳に携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

37
マリアが憧れて眺めていた「理想の夫婦」、その夫が白昼道路で刺殺されるというショッキングな幕開け。事件を機にマリアはその未亡人と知り合い、彼女を慕う亡夫の親友ハビエルへの恋に落ちることに。物語には冒頭の殺人への疑惑も出てくるなどミステリーの要素もあるのですが、やはりマリア(とハビエル)の執着(恋)を描いたものなのではないかと思います。だって最後、思い人に心の中で「ほんとうに、きっぱりと、心の底から」別れを告げた後、「塵ほどのかけらだけで満足するというのは、ほんとうだった」なんて独白で締められてしまったら!2016/11/23

ロア

37
文字がびっしり詰まってる本がビジュアル的に好きなので、改行もスペースも無く一面を埋め尽くすページを眺めてはうっとり♡至福のひと時を堪能いたしました(*´Д`*)そんな、文字ぎゅうぎゅうの本なのですが、人間の脳内モノローグを途切れること無く文章にしたような、流れるように綴られる言葉の波が次々にページをめくらせるので、思った以上に早く読み終えて自分でもびっくり。重たい邦題に身構えて読み始めたけど、あれ?片思いで悩む描写が多いみたい…( 'ω')それもそのはず。原題は「恋に落ちる」でした。2016/10/03

かもめ通信

30
ほとんど改行がなく、時に1ページ以上続く長い文章が読み手に息つく間を与えない。物語が身体にまとわりついてくるかのようなちょっと変わった読み心地で、ねっとりと絡みつくような文体はあまりに濃厚で思わずめまいがしそうなほど。謎はある。推理もあるが、そこに明確な答えはない。あるのはただ濃厚なひとり語り。数々の国際的な賞を受賞し、ノーベル文学賞候補の一人とも目されているという現代スペイン文学を代表する著者の作品は、読み手を選びそうなとてもクセのある物語だったが、私はこういうの嫌いではない。 2016/09/05

ヘラジカ

18
冗談のような長思長考と常軌を逸した饒舌さには閉口させられる。しかしリズムを掴むと途端にリアリティが増して来て臨場感のようなものすら生まれた。なんとも恐ろしい筆力。ただしテーマがテーマなので、身を入れて読む程には惹き込まれなかった。なんて言うか思考実験的な小説といった印象。この作家の小説は他もこんななのか知らん。是非とも邦訳されているもう一冊の作品『白い心臓』も読んでみたい。2016/10/13

星野

17
タイトルに惹かれて。邦題が「執着」なだけで、実際は「恋に落ちる」らしい。なるほど。哲学的な文体自体は好きなんだけど、体調を崩している今読むのには辛すぎる改行のなさでした(笑)。目がめちゃくちゃ疲れた。でも内容としては結構好き。真相は闇の中。主人公の考えに共感。2016/10/09

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