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人生の奇跡 J・G・バラード自伝

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488015282
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0095

内容説明

英国を代表するSF作家バラードは、1930年に上海の国際共同租界で生まれた。魔都上海で過ごした幼少時代、日本軍の敵国人収容所に抑留された少年時代、解放後に初めて足を踏み入れた母国イギリス。そこで妻と出会い、作家としてデビュー。妻の急逝後は独力で三人の子供を育てた。『沈んだ世界』『結晶世界』に代表される、内宇宙(イナー・スペース)を追求した傑作を著し、SFの新しい波(ニュー・ウェーブ)運動の旗手として活躍した鬼才が、その創作の源流とも言える実人生における様々なエピソードを明かす唯一の自伝。

目次

第1部(上海生まれ(一九三〇)
日本の侵略(一九三七)
欧州大戦(一九三九)
両親
真珠湾攻撃(一九四一) ほか)
第2部(雄々しく耐える(一九四六)
ケンブリッジ・ブルース(一九四九)
叫ぶ教皇たち(一九五一)
決定的出会い(一九五三)
人生の奇跡(一九五五) ほか)

著者等紹介

バラード,J.G.[バラード,J.G.][Ballard,J.G.]
英国を代表するSF作家。1930年、上海生まれ。「人間が探求しなければならないのは、外宇宙(アウター・スペース)ではなく、内宇宙(イナー・スペース)だ」として、SFの新しい波(ニュー・ウェーヴ)運動の先頭に立った。終末世界を独自の筆致で美しく描き出した「破滅三部作」と呼ばれる『沈んだ世界』『燃える世界』『結晶世界』、濃縮小説(コンデンスト・ノベル)と自ら名づけた手法で書き上げた短編を発表し、その思弁性に富んだ著作は多くの読者を魅了した

柳下毅一郎[ヤナシタキイチロウ]
翻訳家、映画批評家。1963年、大阪府生まれ。東京大学工学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

114
英の作家J・G・バラードの自伝。非常に面白かった。バラードはSF作家として出発した人だが、作風が変化してのちに戦後を代表する英国の作家として認められるようになった。と言っても、急に文学的になったのではなく、時代がバラードに追いついたところがある。戦前の上海で少年時代を過ごしたことが、作家になるきっかけになったのは間違いなく、その時代のことは本書の中で詳細に語られている。英国帝国主義が永遠に続くことを疑わない大人たち、貧しくして行き倒れになる中国人、20世紀初頭のテクノロジーの精髄を集めた上海の街並。→2016/08/27

藤月はな(灯れ松明の火)

81
以前、『コンクリートの島』で「バラードはフェミニスト?」という感想を書いた所、澤水月さんからご紹介して戴いた本でした。『秘密の花園』のメアリーのようにネグレクトされた上海時代と、最も幸福を感じた収容所時代を経た少年は亡き妻の代わりに子供に惜しみない愛情を注ぐパパとなった。映画版『ハイライズ』での描写(頭部を剥かれ、切開される精神病患者の死体、死体が浮かぶプール、子供や女性は環境に順応し、生き残るなど)はバラードの人生や価値観も盛り込んでいたんだなと気づくとますます、映画も小説も好きになってきました。2016/10/23

踊る猫

24
バラードによって書かれる自身の人生はさほど劇的なことが起きるわけでもない。ただ、起きた出来事が自身に細かな傷を(無数に?)残したその記録と、その傷が自分の精神を変えた記録が綴られる。だから外側に起きた出来事の波瀾万丈ではなく、それを呑み込んで成長したバラードの人間的な深まりを読むのが面白い。作家になってから勤勉に作品を書き続けるバラードの姿を見ていると、人間的に破綻した人ではないことがわかる(酒乱と聞いていたが、誇張だったのか?)。その精力的で野心的な活動の源泉にある「人間力」とでも呼ぶべきものを学びたい2021/08/24

月世界旅行したい

9
いまさら読む。2018/03/25

kokada_jnet

9
濃厚な記述の上海時代と比べると、その後の人生についての描写は薄め。バラード文体で描かれるバラード人生を堪能。色々と納得。2010/12/23

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