内容説明
血の気のない顔には、中世の拘束具。刺草と野菊の冠を頂き、両の手首を切って資産家の老婆は死んでいた。終のすみかに選ばれたのは浴槽…これが自殺なのか？『女彫刻家』で絶賛を博したミステリの新女王が放つ傑出した第三長編！ＣＷＡゴールドダガー賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
34
家族を切り刻んで抽象画を書いたり『女彫刻家』氷室に惨死体があったり『氷の家』と、初期ウォルターズは物語開巻でぎょっとする場面を描く事が多い。本巻も例に漏れず。おまけに死んでいた老婆は近所の嫌われ者だった。作中シェイクスピアがよく引き合いに出されるが、本作自身が某シェイクスピア劇のパロディとなっている。但しネタ元がわかったからといって犯人当てが簡単になるわけではない。人の内面を一枚一枚引きはがすような描写がかなりメンタルにぐいぐいくる一方、ヒロインセアラを巡る恋愛模様がコメディ調でバランスを取っている。 2021/03/01
おふねやぎっちらこ
5
時間を忘れさせるよ。2003/10/30
チェス
2
出だしはちょっと退屈かと思いきや、、やはり読ませるなぁ〜、2016/09/01
spica
2
金持ちの老女は自殺か他殺か、他殺なら誰がなぜ？フーダニット・ハウダニットがほぐれていく爽快さ。登場人物みんなムカつく！って思ってたのに、読み進めるうちに好きになってしまう、筆者の得意技を堪能した。2014/11/18
miharu
2
ミネットウオルター三作目。この作品が一番好きかもしれません。それぞれの登場人物が抱える問題は悲惨なものなのだけど、ただ悲惨なだけではないものを感じました。主人公のセアラと警部補のクーバー、セアラの夫ジャックが魅力的で読んでいて楽しかった。2015/02/13
