出版社内容情報
人類史上もっとも豊かな時代,ルネサンス期を築いた芸術家たちの生涯と全作品。初めて日本に紹介される作品図版も多数収録。新進の研究家による,新しい美術シリーズ。
目次
フィリッポ・リッピに関する評価の変遷「すべての画家は自分自身を描く」?
初期作品―カルメル会の絵画
「コルネート・タルクィニアの聖母」とフランドル美術の影響
フィレンツェの教会のための大祭壇画
聖母マリアの作品
プラートとスポレートの大フレスコ画連作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
62
この巻では、ついにフィリッポ・リッピの登場である。未だゴシック末期の様式が残るとはいえ、ここまで来ればもはやまぎれもない初期ルネサンスだ。リッピはその生き方もまた奔放であり、その点でもルネサンスを体現しているかのようだ。彼の敬称にはフラが冠されるが、これは修道士の意味である。ところが彼はいわゆる破戒僧であり、彼の描く『聖母子』像のモデルは尼僧のルクレティア(表紙も彼女か?)であり、リッピはなんと彼女をかどわかして子どもまで産ませている。後のフィリピーノである。しかし、絵は限りなく生々しく妖艶で美しい。2013/09/20
文吾
14
★★★/図書館本。表紙の絵が好きで借りてみたけど、読み辛かった(『聖母子と2人の天使』、嫁と息子だという本もある)。絵の解説を同じページにしてほしかった。文章もなんだか難しいので流し読み。しつこいくらいにリッピが修道女ルクレツィアをかどわかしたと書いてあるけど『駆け落ち』と書いてある本も他にあって、個人的にはそっちだと思ってる(逃げずに子供も作ってる)。本能に忠実な人だったようです。2017/02/18