出版社内容情報
人類史上もっとも豊かな時代,ルネサンス期を築いた芸術家たちの生涯と全作品。初めて日本に紹介される作品図版も多数収録。新進の研究家による,新しい美術シリーズ。
目次
フラ・アンジェリコの生涯
初期作品 1418‐32年
板絵およびフレスコ画 1432‐38年
サン・マルコ修道院のフレスコ画
板絵 1438‐45年
ローマ 1445‐49年
後期作品 1450‐55年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
48
フラ・アンジェリコ(天使のような修道士)と呼び習わされる修道士が活躍したのは15世紀前半〜半ばにかけてである。本名はグイド・ディ・ピエトロだが、ヴァザーリの『画家・彫刻家・建築家列伝』では、早くも「フラ・ジョヴァンニ・アンジェリコ」と呼んでいる。彼の代表作は、やはり『受胎告知』だろう。4点残されているが(サン・マルコに2点、コルトーナ、プラドに各1点)、白眉はやはり、サン・マルコ2階廊下のものだろう。数ある受胎告知の中でもダ・ヴィンチのもの(ウフィツィ美術館)と双璧かと思う。タッチは全く違うのだが。2013/09/06
午後
4
フラ・アンジェリコ研究の第一人者による古典的名著。伝記的事実や、画風の変化等がコンパクトにまとまっている。やはりサン・マルコ修道院のフレスコ群が一際素晴らしい。画家の性質と主題や技法が上手く絡み合って、奇跡的な美しさを生んでいる。2021/05/10