内容説明
「かつてはそこが密貿易の“陰の街道”であったことにも思いをめぐらせれば、焼け跡の青空市場という、公にしてどこかすえた匂い漂う土地は、まさに「地べた」と呼ぶにふさわしい場所であったのかもしれない」往来は、なぜ歴史に埋もれたのか―幻となった街道を歩いた人々の思惑と情念を探る踏破ノンフィクション。
目次
塩硝の道―富山・五箇山‐金沢
絹の道―八王子‐横浜・本牧
絹の道―外伝 旧東伏見邦英伯爵別邸(横浜・磯子)
海苔の道―諏訪‐浜松‐大森、蒲田
「金の間」「銀の間」の道―大磯‐石川・小松
「金の間」「銀の間」の道―外伝
元寇の道―対馬 厳原‐樫根‐青海
ペリーの道―カリフォルニア州パロアルト‐沖縄・国道58号
著者等紹介
七尾和晃[ナナオカズアキ]
1974年生まれ。石川県金沢市出身。忘れられてゆく近代史の現場に赴き、「訊くのではなく聞こえる瞬間を待つ」姿勢で踏査ノンフィクションにまとめる手法は、アカデミズムの新しいアプローチとして海外でも注目され、また国内では戦後世代の「民間学」の担い手としても評価が高い。海外と日本を往来しながら息の長い学際的なフィールドワークを続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
1
海苔の道は身近なモノであるにもかかわらず、まったく知らなかったので興味深く読めた。ペリーの道は少々期待外れ、もっと調査してほしかった。全体的に文章が硬め、もう少しこなれると良いと思った。2012/09/12
ワッピー
1
表紙裏に「思惑と情念を探る」とありましたが、単なる街道ルポではなくまさに「人」の生きてきた道の「情」を切り取ったような感じでした。「塩硝の道」(富山-金沢)「絹の道」(八王子-本牧)「海苔の道」{諏訪-大森)「金の間・銀の間の道」(大磯-小松)「元寇の道」(対馬)「ペリーの道」(カリフォルニア-沖縄)収録2012/08/04
渓流
0
司馬遼太郎の街道をゆくとは又違った味わいの本。世にあまり知られていない道に光を当て足と耳で書いた秀作。塩硝の道、海苔の道も金の間と銀の間の道が特に興味を引かれた。2013/01/03
onepei
0
文章がちょと気負いすぎな気がする。2012/08/09