内容説明
老いてなお「気骨」と「艶」を輝かせていた人々がいる。時代に安易に流されず、権力に屈することなく、名利も求めず、己を貫く生き方が周囲に光を投げかけた「まつろわぬ老人たち」―。これからの高齢社会にこそ必要な「強い生き方」の知恵を、これら先人の清々しい姿に学びたい。
目次
第1部 老いてなお輝いた筆と人(永井荷風―家を捨て家族を拒否した不良の凄み;金子光晴―身ひとつで生きた詩人の気骨と艶 ほか)
第2部 まつろわぬ言論の徒に徹す(松尾邦之助―戦後日本に「敵前上陸」した無頼記者;本田靖春―孤高の「拗ね者」の失われぬ輝き ほか)
第3部 異才・異能の老いた能力(岡本太郎―社会と己を挑発し続けた芸術と生;升田幸三―将棋界の風雲児のまぶしき不良性 ほか)
第4部 政財界の「角熟老人」たち(松永安左ヱ門―「民」の思想を貫いた“電力の鬼”;反逆老人群像―円熟老人はいらない、出よ“角熟老人”)
第5部 「自分は自分」で貫いた人生(田辺茂一―無邪気に健気に「文化」を選んで;三岸節子―「炎の画家」の九十四年の生涯 ほか)