内容説明
もう一つの社会を作る巧みなシステム。その核心に迫る!
目次
第1章 もう一つの社会―ミツバチコロニーの概要
第2章 巣仲間認識―まとまりを保つ仕組み
第3章 フィリピンへ行ってきます
第4章 ミツバチの遺産相続問題
第5章 蜂の社会を作りだす脳内物質
第6章 バッタとケブカと
第7章 ダンスコミュニケーションと採餌
第8章 ミツバチの燃料調節
著者等紹介
原野健一[ハラノケンイチ]
1975年生まれ。玉川大学大学院農学研究科博士課程修了、博士(農学)。国際協力事業団青年海外協力隊、独立行政法人農業生物資源研究所特別研究員、玉川大学脳科学研究所嘱託研究員などを経て、玉川大学学術研究所ミツバチ科学研究センター教授。専門はミツバチを含むハナバチ類の行動学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
27
研究者の裏事情満載、「昆虫を研究する人たちの世界を垣間見る」といったところでしょうか。研究の道筋で出会った人々、そのつながりがいかに大切かがわかるので、今後研究をしたいなあ、と思う中高生が読んだら面白いかもしれないな、と思いました。2019/05/05
ばんだねいっぺい
23
ダンス蜂が伝えた距離から計算される燃料蜜より、少し多目に持っていくあたりが可愛い。女王の王台破壊と若手潰し(スプレーイングからの針刺し(プロレス技みたい))は、沢尻さんが出てたドラマ「first-class」を思いだし、震えた。2019/08/04
vonnel_g
2
「家畜」として長い歴史を持つ昆虫で、研究もたくさんされているのにまだわからないところがたくさんあるというところにまず驚く。本書でもえ、こんなことが分かってなかったんだ!と思った。女王蜂の争いの苛烈さにも驚く。ちなみにケブカアカチャコガネの研究のその後はなんと「サトウキビ 害虫」でぐぐると成果が!2018/10/24
ひめの
1
ミツバチ研究者である著者が、ミツバチの生態、また、その研究人生を綴った本。ミツバチが高度な社会性を持つことは知っていたが、これほどまでに柔軟で緻密な分業、高度なコミュニケーションや判断をしているとは思わず驚いた。また、ミツバチだけでなく、著者がどのように研究を行っていったかも多量の写真を入れて生き生きと描かれ、そちらも面白かった。希望の進路に進めなかったり、自分の研究が先を越されたり、そのような紆余曲折とそれに対する著者の言葉は現在研究を志す人にも励みになり、参考になる。説明も分かりやすく、楽しめた。2023/03/02
ゲンゲン
1
089.先日出張したとき昼食をご馳走してくれた毎年日本に来てくれる培養技術の御意見番が自宅でミツバチを飼っていて色々な写真を見せもらった。以前からミツバチに興味があったのと、たまたまこの本を見つけたのが重なって読んでみた。働きバチの一生が一月程度なこと。働きバチの役割がどんどん変わっていくこと。女王蜂はもともとは普通の雌バチだが生まれてくる巣穴の向きが違うのと、ライバルが羽化する前に殺してしまうこと。8の字ダンスは絶対的な餌場お教える手段でないこと。などいくつかの疑問点が解消した。2018/12/04