神経症の時代―わが内なる森田正馬

神経症の時代―わが内なる森田正馬

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  • サイズ B6判/ページ数 233p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784484962108
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

内容説明

独自の療法「森田療法」を創始して倉田百三ら多くの神経症者を救った森田正馬の苦闘と凄絶。第五回開高健賞受賞。

目次

第1章 煩悶する倉田百三―人は何に苦悩するのか
第2章 森田正馬の人間観―心とは何か
第3章 森田正馬の生涯―精神医学への道
第4章 岩井寛の生と死―森田正馬の精神を継ぐ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

霊滅術師 カイクウ

2
P.73〜 「恐怖」を始めとした、生まれつき人間に備わっている根源的な情動は、人間本然の事実である。生老病死への恐怖を思想で解決しようとするのは不可能である。人間感情の本然を認めるならば、死の恐怖はそのまま恐怖である。恐怖に身を任せていれば、変転きわまりない外界の変化に応じてとどまるところを知らずに流転する精神活動の中で恐怖はいつの間にか消え去り、神経症に発展することはない。理知で自分を支配するのではなく、生命の自然発動に従って生きよと、正馬は言う。2023/02/20

脳疣沼

2
この本は森田療法の核心部分を非常にうまく伝えていると思う。倉田百三を筆頭に森田の患者達が、自らの苦難に際して、森田療法をいかに用いてきたかを描く。私自身も神経症により抑うつ状態となって苦しんだ経験があるが、森田療法の理屈は全くそのとおりだと思っている。最後に描かれる医師岩井寛の壮絶な末期がんとの戦いは、その迫力に唯々圧倒されるばかりだが、自らの理論が自らの最大の苦難に対する最強の武器であったこと、そのことが森田療法を信用できるものにしていると思う。2014/03/03

霊滅術師 カイクウ

1
P.105〜 神経症とは、過度の意識が特定の一定のみに局限され、その一点以外への意識性が希薄化した心の状態である。したがって人間感情のすべてに意識が万遍なく行き渡り、特定の一点への意識集中が相対的にその「水位」を下げていくことが、神経症の治療なのである。症状が消えるのではない。症状は探しだせばまごうことなく存在するが、それへの意識の執着がなくなることが治癒である。つまり正馬にとっての神経症の治癒とは、帰するところ「意識の無意識化」である。2023/01/23

出世八五郎

1
本書を読むことにより多くの人間が【なんちゃって神経症】になれる。悪しき本。人間の様々な感情や感覚の事例ひとつひとつを取り上げ、それを神経症の症状のひとつだとすることは犯罪じゃないのか?誰も咎めんのか?私は即気付いたけど。だから、アスペルガーとかも病気と認める気にならない。因みに本書に出てくる倉田百三は「出家とその弟子」という小説を書いた著名人。それでも私は本書は悪書だと思う。

あるいてく

1
岩井さんの健康体にあって生きる事の意味を探ったところで、その結論は所詮、高の知れたものであろう。ってところがきっとそれが真実なんだろうなと思った。森田療法はそれを伝える人の生き方によってとか、継承する人がいてくれたから一代もので終わらず、広がりを見せて今あるんだと感じられた。2013/01/08

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