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出版社内容情報
かつて日本には、人が集まるところなら、全国津々浦々まで大小さまざまな遊郭があった。当時の貴重な絵葉書で、その姿を再現する。
内容説明
江戸時代、文化の発信地となって多くの芝居や文学に描かれた遊郭。明治に入ると開発政策と軍隊制度の整備の一環として遊郭は位置付けられた。人が集まるところに遊郭はでき、人を集めるために遊郭はつくられた。本書ではどんな町にどんな建物の遊郭があり、地元とどのような結びつきがあったのかを探る。忘れられた、もう一つの風景が絵葉書によってよみがえる。
目次
吉原遊郭
横浜遊郭
島原遊郭
松島遊郭
福原遊郭
丸山遊郭
外地の遊郭
北海道・東北
関東
中部
近畿
中国・四国
九州
著者等紹介
下川耿史[シモカワコウシ]
1942年福岡県生まれ、早稲田大学卒。サンケイ新聞出版局を経て風俗研究家
林宏樹[ハヤシヒロキ]
1938年岐阜県生まれ、早稲田大学卒。日本デザインセンターを経て、スタジオ・ヒロキ設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ann
54
北海道から沖縄までの明治時代の遊郭の建物メインの古写真。少ないが、花魁や遊女の写真もあり、妄想とリアルが混じり合い、暫し浮世を忘れられた。瓜実顔の「勝興太夫」が大変美しく、見入ってしまった。歴史的背景や、当時の暮らしぶりなどからの、遊郭の哀しい必要悪?のような雰囲気を感じ取ろうとの思いからの選本。2016/09/06
gtn
22
夥しい数の絵葉書をもとに、全国各地の遊郭の変遷を紹介。遊郭が「絵葉書にするに値するもの」と見なされていた、つまり日本の文化の一部と認知されていたと著者。遊女が顔出しであることからも頷ける。2020/02/01
及川まゆみ
8
全国の遊郭の写真がまんべんなく載っているという感じで、ピンポイントというよりは広く浅くでした。吉原あたりはよく見るものですね。2014/09/24
Metonymo
5
現在の政治的問題に言及するのを避けたいが、遊郭文化を知る上で、庶民に出回ったであろう絵葉書に残された全国各地の遊郭を解説。軍や開拓、工事、庶民文化さまざまな理由で遊郭はもうけられた。資料としては貴重であろう。絵葉書約150点を収録。個人蔵によるところも大きい。 「要するに文化の発信地だった江戸時代の遊郭と異なり、近代日本の遊郭はへき地の開発と、軍隊の活動という二つの利便性の問題からもうけられたのである」2013/06/03
かみいゆ
4
それほど厚くなく、写真の多い一冊なので軽く読めるかと思えば、なかなかどうして読み応えがあった。絵葉書の画像と共に全国に存在した遊廓を紹介・解説しているのだが絵葉書も非常に興味深く、それなのに解説も深い。資料本としては良本。2020/03/15