出版社内容情報
命あるものの殺生に関し、人間とそれ以外の生物を区別することをどう考えたらいいのか。区別すべきでないとする脱人間中心主義を検証し、それとは別の道を示す。
内容説明
「動物を殺すな。食べてもいけない」を手がかりに、人間とそれ以外の命あるものの殺生をめぐり、広く深く考察。言えることを極限まで突きつめた、渾身の書!
目次
第1章 人命の特別を言わず/言う(脱人間中心主義と称する主張;批判 ほか)
第2章 殺すことを認めたうえで人殺しを否定する(殺し食べる;それにしても ほか)
第3章 世界があり恐怖するから慎重になる(世界がある・恐怖する;そうして二つの術に応じる)
第4章 高めず、認める(「現代思想」は使えるか;人間的なもの ほか)
著者等紹介
立岩真也[タテイワシンヤ]
1960年生まれ。現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。社会学を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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林克也
2
いつも頭の片隅で気になっていて、でもあまり近づかないように気をつけている立岩先生の著書。 今回も立岩語を堪能しながらいろいろと頭を捻りつつ頷きながら読んだ。で、今回は宗教について言及した箇所がいちばんストン!と来た。2023/02/23
きりんの姉さん
1
著者が逝去したのを機に図書館で借りて読んだ。良い本なので買うことにする。註や参考図書リストが充実しているし、著者の過去の著述で本になっていないものまでネット上のアーカイブで読めるよう、案内されている。著者の肉体は消滅して今は本に化身し、「関心があるならとにかくこれらを読んでくれ。考え続けることを引き継いでくれ」という声が行間から聞こえてくるようだ。この本を踏み台に学びを広げていきたい。最後の方で急に宗教の話になり奇異に思ったが、本当に言いたいことの前振りだった。この本には数多くの箴言がある。2023/10/14