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出版社内容情報
温泉列島・日本で古代から親しまれてきた混浴の風習。西洋人からは蔑まれ、為政者からは禁止されながらも続いた混浴。おおらかなのか、猥らなのか。初の日本混浴史。
内容説明
温泉列島・日本に花開いた混浴文化。常陸風土記にも記され長い歴史をもち、ときに権力から弾圧されながらも、庶民の日常生活の一風景となっていた。いっぽうで、宗教や売春の歴史ともかかわる面を持っていたのも事実である。明治維新後、西欧文明の波が押そ寄せ不道徳とされながらも、消えずに残った混浴。混浴が照らし出す、日本人の心性に大胆に迫る!
目次
第1章 混浴、歌垣と禊ぎ
第2章 国家仏教と廃都の混浴
第3章 平安朝、風呂と温泉の発展期
第4章 湯女の誕生と一万人施浴
第5章 江戸の湯屋と地方の温泉
第6章 日本の近代化と混浴事情
著者等紹介
下川耿史[シモカワコウシ]
1942年、福岡県生まれ。著述家。風俗史家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
28
男女が裸体で湯船に浸かり、しかも羞恥心がないというのは、成熟した精神の表れである。それを異性の裸体に劣情を覚える未成熟な欧米人どもが、混浴文化を下劣だと見下し、排除してしまった。結果、外圧に染まらなかった伊豆の踊子には高尚な精神が残り、文化人川端康成は欧米に洗脳される。笑止。2019/12/28
ともたか
10
そう言えば昔、家族で箱根の温泉に行った時に家族でみんな一緒に お風呂に入ったものです。まあ家族風呂だったのだと思います。 もはやこんなことは無いのでしょうねぇ。2015/11/04
らむだ
2
古代から昭和までの風呂や温泉、人々の入浴様式などの文化を日本の歴史た絡めて綴った一冊。 先学の資料を活用して様々な切り口で日本と混浴の歴史を読みといていて、楽しく読めます。2022/01/07
emi
2
全体的に面白かったが、仏教と温泉の繋がりは興味深い。個人的には、比丘尼であるとか、仏教と性文化の歴史などももっと見ていきたい。そういう意味では、羅列的に書かれているが、もう少し年代の推移がまとまっていた方が良かったかも。2014/05/01
くれの
2
日本の大衆文化の象徴の由縁がその歴史とともに詳らかにされています。お上に迎合することなく民意のままに形を変え姿を変えて皆に愛され続ける習俗は、この国の風土に根ざした麗しい文化なのだなあとしみじみと感じました。2014/01/07