内容説明
不可視の内部を持つ者同士が頻繁に接触し、さまざまの関係を取り結ぶ複雑で流動的な現代社会では、コミュニケーションは見せかけや偽装などのレトリックを必要とする。しかし、このような社会を思想史的に展望するならば、超越的な理念、懐疑と自省を無視できなくなるだろう。
目次
1 悪夢の選択―『闇の奥』の文明論
2 老いのイメージ
3 芸術社会学の形成
4 日本文化の100年―「適応」「超越」「自省」のダイナミクス
5 ストレンジャーの文化
6 うそ現象へのアプローチ
7 紳士の対話―プラトンのコミュニケーション論
8 「神の国」の平和―アウグスティヌスのコミュニケーション論