加害者は変われるか?―DVと虐待をみつめながら

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  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480842831
  • NDC分類 369.4
  • Cコード C0036

出版社内容情報

DVや虐待はなぜ起こるのか? 加害者を知ることで見えてくることがある。アンタッチャブルであった家庭内暴力の問題点を取り上げ解決法を模索する。

内容説明

なぜ、あんなことを?加害者の声に耳を傾けることで見えてきた現実。一歩間違えば被害者から加害者へ。悲劇が起きないよう、カウンセラーから緊急提言。

目次

第1章 カウンセリングの現場から(カウンセリングに来る人;加害者とは誰か)
第2章 虐待する親の姿(映画「ある子供」から;A子の場合 ほか)
第3章 ドメスティック・バイオレンス(ある事件から;加害者と被害者の逆転した意識 ほか)
第4章 性犯罪(語られない被害;目の前の存在は人ではないのか? ほか)
第5章 責任の取り方(被害者は何を望んでいるか;加害者との生活 ほか)

著者等紹介

信田さよ子[ノブタサヨコ]
1946年生まれ。臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。95年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコール依存症、摂食障害、DV、虐待などで悩む本人や家族へのカウンセリングを行っている。また、2005年には性犯罪者処遇プログラム検討委員としてプログラムの作成にかかわり、講演も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みゃーこ

66
加害者は回復しないと思う。加害者と被害者は同一不二の根を持つ者たちであることは確かだが。さて、大事なことは誰にとって「問題」なのか。ということだ。ある事態について「問題」意識を感じる者が当事者である。その意味では「困っている」人の問題であり、加害者は当事者として最も困っていないのではないだろうか。むしろその問題を起こすことを必要とする依存症本人としての位置づけは、誰にとっての問題か?という根源的な問いかけに加害者は適切な回答者たりえない。2013/07/20

ころりんぱ

53
過去に一人DV被害にあっていたママ友がいました。当時は他所の家の事だし、罵り合い激しい夫婦喧嘩をしつつ体格の違いもあって結果、怪我をするのが奥さんだったようにも見え、心配はしたけれど愚痴を聞くくらいで何も出来なかった私です。ただ、彼女のまぶたがお岩さんのように腫れて、青紫の大痣を見たときには、こうやって妻を殴る夫がいるんだ!と恐ろしかったです。加害者は変われるか?という命題は、作者の紹介していた専門のプログラムなどを受けないでは、多分無理!と思ってしまいます。心がざわつき、感想がまとまりません。2015/02/25

おたま

26
信田さよ子は、虐待やDV(ドメスティック・ヴァイオレンス)に関して、これまでの心理学的な概念ではなく、「加害者」「被害者」という司法的な概念をもちいることで、実際の現場において有効な方法を築いてきた。即時に対処しなくてはならない問題が、目の前にある。それに対して実際に被害を無くするために考えだされた。ミシェル・フーコーの言葉「権力とは状況の定義権である」を引き合いに出して、虐待やDVにおける「加害」と「被害」を区分けし、被害者側の視点に立って、加害の責任を問うことを始める。2023/03/16

オリーブ

10
家庭内におけるDVと虐待の“加害者”について多くが割かれていた。この場合圧倒的優位な立場にあるのが加害者なのだが、彼らにその自覚は全くなく、その支配下に置かれた被害者もその自覚がないことが多いことがこの問題を根深くさせているようだ。DVの場合(主に夫から妻に対する場合が多いのだが)彼等も子供の頃に被害者であった場合が多くDV加害者プログラムに参加することで子供時代を確認した後に襲ってくる怒りが増幅されることは恐ろしい面でもあるけど加害者自身の自覚が家庭内DVや虐待をなくし連鎖を断ち切ることになるのだろう。2016/03/01

tabitora1013

6
DVと虐待を「加害者を知る」という視点から書かれている。うわー!って思ったのは、暴力をふるう夫は「妻が俺を怒らせる。だから暴力は正当化される」っていう思考回路だっていうとこ。加害者は変われるか?という問いには読んだ結果、なかなか難しいなとは思ったけど。 夫婦間だけでなく親と子、性虐待についても書かれていて、一つの暴力があるとき、実は暴力はいくつも重なっていることとか理解できる。2015/06/13

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