内容説明
前衛詩人と暗黒舞踏家の20年にわたる稀有な交流が生んだ書下し追悼篇。
目次
唐十郎一家と赤テント
詩画集『あんま』
三島由紀夫の死
土方巽の幼少時期の〈詩的体験〉
駿河台下で
白塗りの起源
滝口修造死去
暗黒舞踏派宣言前後
滝口修造の三回忌
「死海」―ウィンナーワルツと幽霊
舞踏行脚―土方巽最後の講演
哀悼の一句〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
4
土方巽という人と縁を結ぼうとするのは難しい。少なくとも僕にとってはそうだ。まず類書の値段が高い。それに本人の舞踊が見られる場がちょっと見当たらない。なので俺は田中泯の媒介を得なければならなかった。この間まで上映していた田中泯を映したドキュメンタリー映画を通して、俺は土方巽への手掛かりがようやく開通したと思っている。この本もそんな縁で、ようやく。詩人・吉岡実によって土方巽の日記やら彼に関して書かれた文章からの引用、自身の書いた詩歌などを添えて著された本書は、往年の雰囲気を感じさせてくれる。しかし映像が見たい2022/04/15