出版社内容情報
地域を変えるのはカネよりも、アマチュア文化の力だ。伝統を活かしつつ、新たな文化を創造する人々の知恵と情熱を、サントリー地域文化賞に関わる著者が日本全国を訪ねて紹介する。
内容説明
「サントリー地域文化賞」に見るこれからの地方のあり方。
目次
第1章 地域文化の開拓者たち(進化し続ける祭り―北海道札幌市「YOSAKOIソーラン祭り」;小さな町の大きな挑戦―北海道江差町「江差追分会」;雪合戦で世界を目指す―北海道壮瞥町「昭和新山国際雪合戦」)
第2章 アマチュア文化大国・日本(日本型ボランティア―長野県飯田市「いいだ人形劇フェスタ」;目指すは日本一のアマチュア―大阪府能勢町「能勢 浄瑠璃の里」;感動体験こそ教育だ―沖縄県うるま市「現代版組踊「肝高の阿麻和利」」)
第3章 ふるさとを継ぐ(町並みから村並みへ―愛媛県内子町・岡田文淑さん;文化の力で復興を―福島県川俣町「コスキン・エン・ハポン」;祭りが地域を守る―高知県仁淀川町「秋葉神社祭礼練り保存会」)
著者等紹介
小島多恵子[コジマタエコ]
1959年生まれ。大阪大学文学部美学科卒業後、サントリー文化財団職員に。現在、サントリー文化財団上席研究員。30年以上にわたり、サントリー地域文化賞、研究助成、シンポジウムなどの事務局を担当。仕事とプライベートの両面で、日本全国の祭りやコミュニティ活動を探訪(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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きいち
21
読んで元気になる事例集。サントリー地域文化賞の事務局を30年続けている著者が、選りすぐって語る受賞地域の担い手さんたちの取り組み、どれも何とも自然体でいい。◇アマチュア文化大国日本。公的支援などなくとも、好きだから続ける人たちが輪を広げていく姿。壮瞥の雪合戦に福島川棚のラテン音楽、大阪能勢の浄瑠璃、飯田の人形劇…伝統は守るものではなく、好きでやってたら知らずしらず出来上がっていくものなのだなあ。「一文の得にもならん阿呆らしいことを一生懸命やるのんがほんまもんの文化や」とは創設者の一人梅棹忠夫。ええ言葉や。2014/11/13
壱萬弐仟縁
19
いいだ人形劇フェスタ(097頁~)。飯田市の公民館主事は、地区の人に揉まれて住民の暮らしに密着、要望や暮らしの声、実情を把握する人が立派な行政マンになる(104頁)。 大阪府能勢町の浄瑠璃の里(121頁~)。掛け声に拍手(142頁)。 沖縄の組踊: 教育で地域を、文化で産業を起こす(157頁~)。 高知県仁淀川町の限界集落のお祭り(221頁~)。百円紙幣の三椏(みつまた)は土佐和紙の原料 でこれが廃止で若年人口流出という(223頁)。 2015/05/06
さやこ
1
ふるさとをつくる、っておもしろい言葉。「一文の得にもならんこと」を大の大人が一生懸命やる。そうして繋がれてきた文化が、消えてしまっているところも多々あるのだろう。地元に誇りを持てるって、いい。2014/11/09
花凛
0
無償の愛かぁ。羨ましくなる。2016/06/16
ぽぽなみ
0
「一文の得にもならん阿呆らしいことを一生懸命やるのが、本当の文化だ」一冊の本からすごい活気を感じた。自分のふるさとも紹介されており、帰省の際には改めて訪れたいと思う。きっと今までとは違う見方が出来る気がする。2015/04/18