近代ヤクザ肯定論―山口組の90年

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  • サイズ B6判/ページ数 398p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480818287
  • NDC分類 368.5
  • Cコード C0036

内容説明

史上最大のヤクザ組織、山口組の歴史と実態に迫る!神戸の沖仲仕の群れから生まれた小さな組が、4万人の巨大軍団へと変貌をとげた、その原動力とは。

目次

第1章 山口組の誕生―仲仕からヤクザへ
第2章 振興山口組の発展と衰退―米騒動から敗戦まで
第3章 闇市の混沌のなかから―窮民アウトローとしての出発
第4章 港の顔役―山口組の港湾支配
第5章 大衆芸能の裏側―美空ひばりと山口組
第6章 高度成長と全国制覇―頂点に立った山口組
第7章 被差別民の前楯、後楯―被差別部落・在日コリアン社会とヤクザ
第8章 対抗権力としての近代ヤクザ―山口組壊滅せず
第9章 近代ヤクザの変質と終焉―日本のヤクザが終わるとき

著者等紹介

宮崎学[ミヤザキマナブ]
1945年京都生まれ。父は伏見のヤクザ寺村組の親分。早稲田大学中退。在学中は日本共産党のゲバルト部隊に属し、対立党派との衝突をくりひろげる。週刊誌記者を経て、実家の建築解体業を継ぐ。それらの体験を描いた『突破者』でデビュー、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カザリ

39
面白かった。「孤狼の血」を読んで、なぜヤクザはなくならないのか、主人公の刑事がなぜヤクザを警察の対抗馬として存続させようとしていたのか知りたくて、この本を読んだ。結論は、この本で語られていることは、いくつかのテーマがあるのだけれど、最も重要なことは社会のセーフティネットとしてあったヤクザを追い詰める資本と権力を一元化した国家は腐敗と格差をますます加速させるということ。そして、格差の進んだ社会では、今後新たな相互扶助システムが希求されるということ。三代目の魂を日本人はもっと学ぶべきなんだなあ。2018/03/04

ぐうぐう

13
近代ヤクザの誕生とその終焉を、社会学的観点から分析する宮崎学の『近代ヤクザ肯定論』。タイトルに付けられている「肯定」という言葉は、危うい印象を与えるが、宮崎の意図するところは、そうではない。日本社会が円滑に運営されるために必要な社会的装置として生まれた近代ヤクザ、つまり社会が必要としたという意味での「肯定」なのだ。マイノリティの不満の受け皿としての、差別なき共同体としての哀愁が、近代ヤクザにはあったと説く。(つづく)2011/08/31

ちあき

3
沖仲仕の組としてうまれた山口組の歴史をたどり、その実像を検証した本。「共同社会型・部分社会型ヤクザから利益社会型・全体社会型ヤクザへの変質」という分析の視角が示唆に富む。例証も的確で、企業や労働組織を研究対象としている人なら第六章、差別の問題に関心がある人なら第七章は必読だと思う。司法を志す若者やただの現代史好きも読んで損なし。最終章の風呂敷の広げ方に対する評価は保留とせざるをえないが、変質をかさねたヤクザ組織が若者のドロップアウト集団にシノギをアウトソーシングしているという指摘は重く受けとめたい。2009/09/14

chu-ken

2
まつろわぬもの、アウトサイダー2008/05/19

kilroy

1
⭐️一つ。日本的経営の終身雇用年功序列って、任侠の世界と共通する部分が多いな。組織論として捉えると面白い。3代目田岡組長ってリーダーとしても経営者としても面白い。2015/05/05

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