東京の生活史

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東京の生活史

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  • サイズ A5判/ページ数 1216/高さ 22cm
  • 商品コード 9784480816832
  • NDC分類 361.78
  • Cコード C0095

出版社内容情報


【紀伊國屋書店チャンネル】

150人が語り、150人が聞いた、東京の人生。
いまを生きるひとびとの膨大な語りを一冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。

……人生とは、あるいは生活史とは、要するにそれはそのつどの行為選択の連鎖である。そのつどその場所で私たちは、なんとかしてより良く生きようと、懸命になって選択を続ける。ひとつの行為は次の行為を生み、ひとつの選択は次の選択に結びついていく。こうしてひとつの、必然としか言いようのない、「人生」というものが連なっていくのだ。
(……)
そしてまた、都市というもの自体も、偶然と必然のあいだで存在している。たったいまちょうどここで出会い、すれ違い、行き交う人びとは、おたがい何の関係もない。その出会いには必然性もなく、意味もない。私たちはこの街に、ただの偶然で、一時的に集まっているにすぎない。しかしその一人ひとりが居ることには意味があり、必然性がある。ひとつの電車の車両の、ひとつのシートに隣り合うということには何の意味もないが、しかしその一人ひとりは、どこから来てどこへ行くのか、すべてに理由があり、動機があり、そして目的がある。いまこの瞬間のこの場所に居合わせるということの、無意味な偶然と、固有の必然。確率と秩序。
本書もまた、このようにして完成した。たまたま集まった聞き手の方が、たまたまひとりの知り合いに声をかけ、その生活史を聞く。それを持ち寄って、一冊の本にする。ここに並んでいるのは、ただの偶然で集められた、それぞれに必然的な語りだ。
だからこの本は、都市を、あるいは東京を、遂行的に再現する作品である。本書の成り立ち自体が、東京の成り立ちを再現しているのである。それは東京の「代表」でもなければ「縮図」でもない。それは、東京のあらゆる人びとの交わりと集まりを縮小コピーした模型ではないのだ。ただ本書は、偶然と必然によって集められた語りが並んでいる。そして、その、偶然と必然によって人びとが隣り合っている、ということそのものが、「東京」を再現しているのである。
(岸政彦「偶然と必然のあいだで」より抜粋)

内容説明

一五〇人が語り、一五〇人が聞いた東京の人生。

目次

ただ…ピアノは弾くんだと思ってましたから。どう言えばいいんでしょうね、よくわかんないけど。ピアノのない生活なんか考えないですよ(語り手=手島儀子・協力=伊藤るり・聞き手=青山薫)
「私は神様より悪魔のほうが好き」とか言っちゃって母を悲しませたよなぁ(聞き手=秋山きらら)
あそこの店やって、みんないろんな人が来て、で、どこ住んでるんですか?って言うと、世田谷から来ましたとか下北から来ましたって、勝ったなって(聞き手=浅海卓也)
で、前の工場っていうのは、そうだ、火事になって焼けた(聞き手=足立大樹)
サーフィンじゃないけど、来た波に乗った感じ。やっぱりみんな何者かに最初からなろうとして目指すものだって言われた(聞き手=足立大育)
目が合っちゃったの。ほかのこととか記憶ないけど(笑)。で、記憶もないんだけど、朝、自分の荷物もないの(聞き手=雨澤)
鴨川に呼び出されてさ。ふたりでさ、けっこう言いあって。でもまあ、ふたりのことが心配だって。刹那的、絶望に、破滅に向かってるみたいな(語り手=谷ぐち順・聞き手=飯田沙織)
で、結局地域の子で「友だち」になった子っていなかったですね、ずっと。うん。それはもう、大人になるまで(聞き手=飯山由貴)
お母様が信頼してる占い師のところに連れて行かれて。そしたら、「子どもはできるし、この方が濱口家の金庫番になりますよ」って(聞き手=碇雪恵)
気休めで飲みに行くとかそういう感覚じゃないっていうかさ、そこで生きるみたいな(笑)(語り手=吉田和史・聞き手=石川ひろみ)〔ほか〕

著者等紹介

岸政彦[キシマサヒコ]
1967年生まれ。社会学者・作家。立命館大学教授。主な著作に『断片的なものの社会学』(朝日出版社、2015年、紀伊國屋じんぶん大賞2016受賞)、『ビニール傘』(新潮社、2017年、第一五六回芥川賞候補、第三〇回三島賞候補)、『図書室』(新潮社、2019年、第三二回三島賞候補)、『リリアン』(新潮社、2021年、第三四回三島賞候補)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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starbro

207
今年の最巨編(菊版、二段組、1,216頁、150万字、約2㎏)を3日かけて完読しました。聞き手150人×語り手150人、多種多様(老若男女、LGBTQ、日本人、ハーフ、外国人入り乱れ)な市井の東京に棲まう人々のインタビュー集、ドラマがありました。読んでいて飽きませんが、最初の二日間は、本書を持ち歩いていたので、疲れました(笑) https://www.chikumashobo.co.jp/special/tokyo_project/2022/01/15

アキ

107
なんて重い本なのだろう。1200頁。東京で暮らす、または暮らしたことがある人たち150人へのインタビュー集。ここには実に様々な人生があり、必死に生きる人のふとした一言が心に響く。今日も混雑した電車に偶然乗り合わせた人たちは、それぞれの必然でそこにいる。東京で今暮らす人たちも同じ電車に乗り合わせた人々と同じようなものなのだ。かつて東京で暮らしたひとりとして、懐かしく、そしてもちろん初めて知る時代も場所も職業も異なる、懐の深い東京を肌で感じることができた。みんな東京で精一杯生きている。生きている限り、全力で。2021/12/03

がらくたどん

66
東京で生活する(生活していた)人達150人分の「聴き書き」なのだが手法がとても面白い。一般公募で選ばれたのは「語り手」ではなく「聴き手」。150人の聴き手が自分で語り手を選定して話を聴く。記録に記されるのは基本聴き手の氏名のみで語り手の情報は「語り」の中にしかない。つまり性別・年齢・職業・聴き手との関係といった人物像を外から枠付ける情報なしに読者は「ある人物」の半生なりを傾聴する。「人物像」という仕分けコードの脆弱に気づく体験だけでも稀有で貴重。通読後、多分折に触れて「あ、あの人!」と辿り帰りたくなる。2022/08/09

竹園和明

50
上下2段1,216頁。厚み6センチ!。東京に暮らす老若男女150人に今までの暮らし等を語って貰い、そこから東京という巨大都市の過去~現在の断片を浮かび上がらせるインタビュー集。聞き手も語り手も一般人。人それぞれの歴史をサラサラと読んで行く。東京を象徴する建造物等ではなく野良猫が行き来する路地裏を覗き見たような印象。大事件もなく、またこれを読破すれば「ザ・東京」の全貌が見えて来るわけでもないが、市井の人々の色んなライフヒストリーが興味深かった。こういう個々の暮らしが、大都市東京を形作って来たんだな。2022/03/02

しんい

22
1200ページという長大なインタビュー集。二段組で文字も小さい。人間が合理的に作れる人的ネットワークは150名が上限という説があったが、まさに頭がパンクしそうな情報量。東京に縁がある(ずっと東京に住んでいるとは限らない)方々のストーリーを公募したもの。やや劇団・芸能関係(大くくりですみません)が多いか。サラリーマンはほとんど出て来ない。満州の大連でレンガづくりの家に住んでいた話、日系ブラジル人の方のブラジルでの生活の思い出など。東京に来た理由、出ていった理由など、当然バラエティに富んでいる。2023/01/13

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