老人力

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老人力

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480816061
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

老人力とは物忘れ、繰り言、ため息等、従来ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力である。

目次

おっしゃることはわかります
物忘れの力はどこから出るのか
「あ」のつく溜息
食後のお茶の溜息
老人は家の守り神
老人力満タンの救急車
下手の考え休むに似たり
老人力胎動の時期を探る
ソ連崩壊と趣味の関係
中古カメラと趣味の労働
朝の新聞を見ていて考えた
眠る力を探る
東京ドームの空席
老人力は物体に作用する
タクシーに忘れたライカ
年に一度の健康診断
宵越しの情報はもたない

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

74
二つの顔(名前)を持つ作家さんです。純文学を書く時は「尾辻克彦」で、1980年43歳のときに『父が消えた』で芥川賞を受賞しています。今作のようなエッセイは赤瀬川源平と器用に使い分けています。本作では、今の私の年齢のころに書かれたもので、その《老人力分析》は微に入り細にわたるもので面白かった。「モノ忘れ等、気にしてはいけない!」など、80歳を超えてから気になっていた諸々を払拭してくれました。そして勇気をいただきました。コロナで中断していた〈街中散歩〉を再開しようと思います。2024/03/30

るんるん

34
人間ちょぼちょぼ人生ぼちぼち論。なんだかリラックスできる。鹿児島弁に変換すると「てげてげ」のことかな。根をつめすぎないように、頭の中の空気をいれかえる不思議言葉。年齢を重ねるごとにいろいろと衰えてくるが、だからこそ得られる「老人力」。若い人は意識して使うといいらしい。筋肉の力の抜きどころを知るとスポーツでよい結果につながることからも実積でも証明されている。すごいぞ「老人力」。どんなもんだい(笑)。って年とれば仕方なく不可抗力で身につく現状。年齢に抗わないで余生を愉しもうと思わせてくれる本なのでした。2015/01/20

tu-bo@散歩カメラ修行中

32
Z図書館で読了。1997年の上梓ですから約二十年前になります。この言葉、一世を風靡したような記憶があります。本作は 路上観察学会の長老(赤瀬川さん)が、学会の南伸坊さん達から言葉が思い出せなかったりいわゆるボケっぷりを指摘された後、老人力と改称しその効能を説く読み物です。各章で老人特有のdeteriorationを前向きに「老人力」として見直し、そうはいっても的な屁理屈をゆるーくこねています。おまけにお約束の写真も文章とは関係のないものが掲載されています。肩の力が抜けて、リラックスすること請け合いです。2018/04/03

KEI

25
初版が98年だから今から30年近く前のエッセイ。本書以降「◯◯力」が流行ったと思う。物忘れや足腰の筋力低下などネガティブな状況を老人力と称してポジティブにとらえる著者の発想は面白い。氏や南伸坊さんらが「路上観察学会」と称して東海道をぶらぶら歩きながら写真を撮る中で発祥したそうだ。時々笑えてくる話もあり、歳をとるのも面白そうだと思った。あれ、それの固有名詞の無い会話が通じる我が家も老人力満載である(笑)2024/04/17

はち

25
物忘れやなんやかんやのエピソード、分かりますよ〜!あるあるですよ〜!と微笑ましく読んでいた。中盤、小津安二郎の名前が出てきた事にビックリ‼️今週立て続けに小津作品を3本アマプラで観て、イイなぁ〜と思ったワタシ。確実に老人力ついてきている証拠‼️微妙〜😅2022/07/21

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