アニマの鳥

アニマの鳥

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  • サイズ B6判/ページ数 531p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480803498
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

三十年の歳月をかけた渾身の大河小説、天草・島原の乱。栄誉や権力に縛られず、自分の魂(アニマ)を大切に、死をかけて個人の尊厳を守った人々の受難の歴史1200枚。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュシュ

25
石牟礼さんがチッソ本社で水俣病の交渉しているときにこの本を書くことを思い立ったというあとがきを先に読んでしまったせいか、 読みながら時々『苦海浄土』を感じた。島原の乱の話で描かれているのは名もない人々。人は、 理不尽極まりない状況になったときに何かにすがりたくなるのだ。島原の乱では、熱心なクリスチャンばかりでなく、お坊さんもいたし、年貢の取り立てに困っている大勢の人たちが一揆に加わった。汝の隣人を愛せよという言葉に久しぶりに触れた。宗教も時代も場所も関係なく、人と人が生きていくのに大切な言葉だと思った。2017/12/06

yuki

7
ゆっくりゆっくり読んできました。本当に強くて優しい物語でした。名もなき人々の中にある矜持や強さをかみしめることができました。第10章はずっと一人で泣きながら読んでいました。能「沖宮」を描きたいと思い続けた石牟礼さんの心に触れた気がします。2019/04/24

HH2020

7
◎ 天草島原の乱の物語。石牟礼道子さんならではの「うた」のような美しい文章。慈愛に満ちた表現。方言で語られる会話がこころに染みる。私がこれまでに読んだ本の中で最上ではなかろうか。読み急がず1章1章を味わい尽くすように時間をかける。一気に読み終えてはもったいない。若いころ有明海をわが庭のように、湯島をはじめ島原や天草のあちこちをクルージングして遊んだ。あのころの思い出を重ねつつ四郎の時代を偲んだ。今週末に石牟礼さんをしのぶ集いがある。水俣に出かけようと思う。いつかは原城址にも。2018/03/21

みよちゃん

7
石牟礼さんの本に惹かれ、また故郷の懐かしい地名や訛りに惹かれ読む。島原の乱では隣の県と思っていたけど、宇土が益田に関係があると書かれて、余計惹かれてしまった。キリシタン、飢饉、一揆、そこに至るまでの百姓達の苦しい思いと、水俣病の苦しみ、為政者対被害者の構図がいつの世にもあるのが苦しい。2017/12/23

マウンテンゴリラ

4
それを読むことによって、何かのためになる、或いは、知識の習得に役立つ。そんなものとは次元が異なる。苦海浄土を読んだときにも感じたことだが、漠然とではあれ、読んでよかった。また、これを読まずに死ななくてよかった。大袈裟かもしれないが、そう感じさせるほどの力のある作品といってもよいのではないだろうか。何故そうなのか。そこには、単に悲劇の犠牲者への憐れみや、それを産み出した加害者、権力者への批判にとどまらない、もうひとつのこの世を生きた人々が描かれており、それが決して、→(2)2017/09/26

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