内容説明
目的が正しければ手段を選ばない。十六世紀のイタリア、中小の都市国家が抗争を重ねるなかにフィレンツェ共和国に登場した鬼才マキァヴェッリの多面的な才能を表現する作品をほぼ網羅した初の全集。
目次
君主論
戦争の技術
カストルッチョ・カストラカーニ伝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
8
知らない間にこんなものが出てた。ただでさえ政治と暴力の関係を考えさせられるニュースが巷に溢れてる。自分も『君主論』と『ローマ史論』しか読んだことがないので、自分の元英雄(と自分の)の化けの皮をはいでやろうと手にとった。『地獄のマキアヴェッリ』のような伝記情報を背景に読み直してみると、今までは謎めいていた箇所もすんなり理解できる。仏や西のような新興大国に対抗しうるイタリア統一国家を創建しうる君主を見出し、自分がその助言者として復職する。君主論、ローマ史論、戦争の技術はそうした生々しい政治的・個人的野望の産物2023/11/26
本とフルート
1
どこにおいても通用しそうな、人間の本質を突いていると感じさせるマキアヴェッリの筆を堪能した。私の大好きなファンタジーや架空歴史小説も、彼の理論からは逃れられないのではないか、と思うと笑みがこぼれる。2020/07/05
kokekko
1
『カストルッチョ・カストラカーニ伝』めあてで通読。五百年前の生モノ二次創作、もとい人文主義的見地に立った小説的歴史語り。この時代には、フィクションと現実の区別がそれほど厳密ではなかったのだろう。あるいは『正確な歴史』なんて書きうるのか? という歴史学永遠の命題にマキャベリが投げて寄越した、相当開き直った回答、かも(笑) 文体や文字の大きさなど、読みやすさに対する配慮が嬉しい。2010/04/22
ねこみ
0
人類すごいわw2013/01/18