感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
棕櫚木庵
20
1/3) おおよその筋と結末は(多くの古典的作品がそうであるように)聞いていて,『日陰者ジュード』と似た話のように思っていた.書物によって育まれた夢の世界に生きようとして自滅する物語だと.実際には対照的な点が多く作品の印象も随分違っていたが,それでも『ジュード』と比較してしまい,たとえば,エンマが舞踏会を懐かしむ姿から,ジュードがケンブリッジ大学を門から覗き見る場面を思い出したりした.そのせいだろうか,エンマを(ジュードとは対照的に愚かではあるが),愚かな女と切って捨てることはできない.これは,2022/12/02