内容説明
神聖な儀式であった処刑は、12~13世紀を境に卑賤な刑吏の職業へと転換してゆく。その背後では何が起っていたのか。賤民身分の成立と解体を、中世人の死生観と宇宙観から解明する。
目次
刑吏の社会史(中世社会の光と影;刑罰なき時代;都市の成立;中・近世都市の処刑と刑吏)
中世賤民の宇宙(私たちにとってヨーロッパ中世とは何か;死者の社会史―中世ヨーロッパにおける死生観の転換;ヨーロッパ中世賤民成立論;中世ヨーロッパにおける怪異なるもの;ヨーロッパの音と日本の音)
ヨーロッパ中近世における身分差別―宗教と世俗の間
ヨーロッパの宇宙観と差別
理性と差別
贈り物と宴会
説話と歴史―ヨーロッパの場合
ヨーロッパ中世における死のあり方
ヨーロッパの死生観
中世の死、現代の死〔ほか〕